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コラム

一筆啓上

3月31日

 福島県の子どもたちが兵庫県新温泉町でさまざまな体験を満喫した。新鮮な魚をさばいて食べ、但馬牛のブラッシングに挑み、屈託のない笑顔を見せた。そのうち一人が道路ののり面に上がるとみんながまねをし始めた。転んでも大笑い。こんなふうに子どもは危険を判断する能力を身に付けていく。

 東京電力福島第1原発事故の影響で、自由に屋外で遊べない子どもたち。目に見えない放射線と折り合いをつけるストレスはどれほどか。これがどんなに異常な状況か、わが身に置き換えれば想像は容易だ。(今岡浩明)


3月30日

 「市民感覚とは大きなずれがある」とソウル駐在の鳥取県職員。日韓両国の間で時に生じる“葛藤”を伝えるニュースが「虫眼鏡で拡大されるかのように極端なイメージ」に映るそうだ。

 そのイメージが固定化すれば反日、嫌韓の意識を引き起こしかねない。危うさを拭い去るためにも多面的な見方は欠かせない。少女時代、シャイニーなどの韓国アイドルが歌う「K−POP」をテーマにした日本人によるコンテストが5月18日、米子コンベンションセンターである。新感覚の韓国文化に触れてみるのも良い。(深田巧)


3月29日

 3月は旅立ちの時。わが家でも長男が県外で暮らすことになり、先日、引っ越し準備を兼ねて、中学1年から使っていた部屋を片付けた。4月からは三男が使う予定で、長男のベッドなどは、やや広い次男の部屋に移す。

 わが家での居場所を奪うようで、少しかわいそうな気もするが、寂しがるのは最初だけ。県外での新しい生活が始まれば、そこが彼の居場所になり、家や家族を思い出すことも少なくなるだろう。引っ越しまで、あと数日。子どもの巣立ちは、親にとっても子離れの時である。(吉浦郁夫)


3月28日

 片側2車線の道路の中央線寄りを走っていてヒヤリとすることがある。左車線の左折車が車線をはみだして膨らんでくることがあるためだ。多くの場合、スピードを落としてさえいれば膨らむ必要はないのだが。

 新年度を前に、街には初心者マークの車が目立つ。ふらふらして危なっかしい車もあり、こちらも緊張する。だが、こんなときはイライラしても仕方がない。慌ただしい時期ではあるが、こんな時は時間に余裕を持って出かけ、譲り合う気持ちを持って運転することを心がけたい。(倉繁淳志)


3月27日

 境港などの弓浜部では、高齢者の葬儀で会葬御礼にキャラメルを付ける。よそからみると「えーっ」と思うことも、この地域では風習になっている。キャラメルは、列席者が長寿にあやかれるようにとのお裾分けだ。境港市の飲食店ではその昔、かき氷のいちごミルクは「花見」、レモンミルクは「月見」と品書きされていた。風流だ。

 何かと人を急き立てるような現代社会。気配りある風習や風流に共通するものは「心の余裕」だ。大事なことを忘れていないか、花見の季節に自問してみよう。(酒井建治)


3月26日

 本を整理したら故・松尾茂さんの「明治初期の鳥取県政」(1961年)「鳥取県の誕生−再置の前後」(1981年)があったので読んだ。

 交通網が未発達だった1881(明治14)年、県内を視察した山県有朋が「鳥取は三方が山で一方が海の“陸の孤島”。文明の光を投じるべきだ。鳥取−姫路間の道路整備が最大の急務」と指摘したという。この悲願は鳥取自動車道の全線開通で、山県の指摘から132年目にしてやっと実現した。それまで道路行政は何をしていたのか。大いに疑問を感じた。 (高取正人)


3月25日

 ビビッドな色彩、手の込んだ独創的なパッチワーク、豪華絢爛(けんらん)な作品の数々…。県立博物館で始まった「蜷川実花・蜷川宏子二人展」は会場に入った途端、目が覚める。子どもを抱いて来場した同僚は、子どもの突然の号泣におろおろ。色彩に驚いたのだろう。

 会場は、実花さんの写真を出力した壁の上に宏子さんのパッチワークを載せるなど展示も工夫され、見どころ満載。女性たちは一様に間近でパッチワークをのぞき込んではため息。行ってはまた返りの繰り返し。それほど虜(とりこ)にしてくれる作品展だ。(石原美樹)


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