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皆で地域への責任果たそう
2012/01/01

新日本海新聞社代表取締役社主兼社長 吉岡 利固

 年の初めにあたり、読者の皆さまに謹んで新年のお祝いを申し上げます。ご家族のご健勝と地域のますますの繁栄をお祈り申し上げます。

 昨年は3月の東日本大震災と原発事故で、当たり前に感じていた我が国の安心安全神話が音を立てて崩れました。各地で豪雪や台風などの被害も相次ぎ、被災された地域とそうでない地域で大きな不公平感が生まれた1年でありました。

永田町にリーダー不在

 それを補って復興と新たな成長戦略に結びつけるべき国政があまりにも無力で、国民は2年前にあれほど期待を持って拍手喝采で迎えた民主党政権にすっかり失望してしまいました。といって批判ばかりの自民党には「民主党がコケるのを待っているだけか?」と懐疑的で既存政党は全く信用されなくなりました。期待された野田首相は、何事にも国民に対する説明責任を果たさず、唯一の政治目標が消費税引き上げとはあまりにも情けない話です。代わるべきリーダーは永田町に全く見当たりません。

 昨年末に北朝鮮で世襲によりトップが代わり、今年は米国をはじめ、中国、ロシア、フランスなどの大国で指導者交代があります。その分、自国内経済政策は保護主義的に働くので世界の基軸通貨であるドルの安値やユーロ圏での金融不安は簡単には去りません。

 強い米国を立て直す指導者は簡単に見つかりそうにはなく、失政を重ねたオバマ大統領の再選は微妙な状況で、米国の強いリーダーシップは当分望めそうもありません。

消費税率アップは間違い

 そういう内外情勢の隙を縫って、すっかり財務官僚主導に戻ってしまったのが現代日本の政治状況です。

 右肩上がりの経済発展はとっくに終息し成長戦略もない日本で、消費税増税を強行したらますます景気が悪くなることは過去の事例でも明らかです。こういう時期こそ、財政は減税、経済は金融緩和を取るべきなのです。なのに、インフレを怖がり全く逆の政策では税収は落ち込み、結果として財政再建から遠のくばかり。

 しかし、財務官僚は財政健全化だけを突出させようとします。彼らが考える非生産的な金と人の流れで、日本経済の立て直しなど到底不可能です。天下り既得権益とムダ遣いを自分たちの手で封印することなど絶対あり得ないからです。

橋下市長は国政改革の星

 そのさなかで、本気で政治主導による大阪都構想実現を掲げ、大阪市を含む府民から絶大な支持を得て当選した橋下徹大阪市長は、新しい国政のリーダーとなりうる唯一の存在です。彼を高く評価する石原慎太郎東京都知事や堺屋太一元経企庁長官は人心掌握術と経済政策でともに非常に優れた存在で、これに中曽根康弘元総理の政治力が加われば、残り任期2年となった次の総選挙で一気に政界再編の中核となり得るでしょう。

 橋下氏の主張の中心に「国から地方への権限と財源の移譲」があります。同じように2009年の総選挙の民主党マニフェストで「地域主権の確立」を掲げたのは当時の小沢一郎幹事長でした。地方に金を渡して、地方に使い道を考えさせ、素早く地元で使わせ地方経済を活性化する。それぞれの力量を試される地域間競争の開幕です。近代日本誕生以来、延々と続いている中央集権をぶっ壊そうという発想は、2人どこか似ています。

海外脱出企業の危うさ

 こういう状況下で企業の取るべき道は、地域で果たすべき役割を見失わないことです。拠点を海外のみにシフトしてもうかったとしても、日本企業として責任を果たしていることにはなりません。

 地元での雇用を守るためにあえて海外進出し、利益を国内の生産拠点維持に還元する努力が大切です。工場閉鎖してリストラし利益だけを確保したとしても、それが地域発展に役立つ社会的責任を果たしたことになるのでしょうか?

 昨年を象徴する漢字は「絆」でした。不幸な災害からの痛手を地域一丸となって乗り越えようとする人々の連帯感が見てとれます。被災地もそれ以外の地域の人と企業も、それぞれの地域に対する自己責任を意識し前を向いて一歩ずつ進んでいくべき年だと思います。


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