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潮騒

2017/12/31

 高級ブランドショップが並ぶ一等地から、少し歩けば、安売りスーパーでさらに安くなる時間帯の弁当を購入する子どもたち。ことしの大阪は、外国人観光客でにぎわい、ホテルの建設ラッシュに沸く一方で、深刻化する「子どもの貧困問題」が注目され、対策を迫られた1年でもあった◆過去最高益を更新する企業が相次いでも賃上げには直結せず、働く人の4割を占める非正規労働者は、不安定な労働環境から先の見えない暮らしが続く。大阪市が4月に公表した子どもの貧困に関する実態調査では、母子世帯の苦しさが際立ち、世帯の経済環境が厳しいほど、子どもの学習理解度が低下する傾向も明らかになった◆一方で、好調な経済と社会問題の解決を結び付ける動きも出てきた。関西財界の一部が大阪市に協力して、子どもの貧困問題の解決に取り組んでいる。経済団体の職員が子ども食堂を訪問して話を聞くなど、現場の本気度は高い。背景には、かわいそうな子どもを助ける社会貢献ではなく、将来の納税者、消費者を減らさない経済の問題だという意識がある◆自治体でも学校や地域と連携し、子育て世代を見守ろうと議論を重ねている。来年以降、子どもの貧困対策で大阪モデルを確立できれば、他の自治体にも、日本経済にも貢献できる意義のある活動になる。(芽)
 

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