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潮騒

2018/2/3

 堂場瞬一さんの近著『時限捜査』の舞台はJR大阪駅の時空の広場だ。大阪駅で人質を盾にした立てこもり事件が起き、犯人は現金10億円と逃走用ヘリを要求するという物語。駅舎シンボルのドーム屋根が表紙を飾るご当地小説である◆ドーム屋根に覆われた時空の広場は南北の駅ビルを結ぶ通路として2011年に整備された。時空の広場はいわば橋上駅だ。JR西日本30年史によると、大阪駅は1日当たり約1500本の列車が発着し、約80万人が利用するため、橋上駅は鉄道の運行を継続しながら建設しなければならなかった◆故に、建設工事は最終電車が過ぎて始発電車が走りだすまでの時間帯を狙って進められ、完了したが、物語では事件によって空前絶後の駅封鎖に陥る。西日本最大のターミナル駅で犯人と警察が対峙(たいじ)するフィクションの世界が、海外で多発するテロの現実と重なった◆20年東京五輪・パラリンピックに向けて国、自治体はテロに備えた体制整備や訓練に余念がない。25年国際博覧会(万博)誘致が実現すれば、テロ対策の重要性は大阪でも高まろう◆「世の中の動きに瞬時に対応して諸対策を講じる必要がある」と大阪府警本部長。今年の年頭視閲式で訓示していた。安心安全をいかに確保するか。ご当地小説を読みながら考えさせられた。(深)
 

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