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潮騒

2018/3/9

 吉本興業創業者・吉本せいをモデルにしたNHK朝の連続テレビ小説「わろてんか」は、先週ですべての収録を終えた。撮影開始以来、1年近く主人公てんを演じ続けてきた葵わかなさん(19)は、「明日から何も予定がないという実感がない。うれしさと寂しさが半々」とほほ笑んだ◆月末31日の最終回に向け、後藤高久チーフプロデューサーは「物語は、戦中戦後の厳しい時期に移る。個人ではどうしようもない外的要因の運命の中で、それでも隙を見て笑って立ち上がる人々を見てください」とゴールへの意気込みを語った◆今週は第23週で「わろてんか隊がゆく」と題し、中国大陸の戦地へ“笑いの慰問団”を派遣する主人公らを描いている◆吉本興業を担当した記者なら誰でも知っている「わらわし隊」の実話を基にしている。飛行兵「あらわし隊」をもじったネーミングだ。次第に悪化する戦況を突き、東西の芸人が軍属として大陸深く慰問に分け入り、時には戦闘に巻き込まれ亡くなったり負傷したりもした◆昨8日に放送された漫才師リリコが、兵士から家族に手紙を託されるエピソードは有名な実話だ。平和な平成の世では想像が付かない窮屈な軍人最優先社会。たった80年前に起こった日本の現実を、現代の安倍政権による安保法と共に忘れてはなるまい。(畑)
 

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