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知的障害のある生徒が同級生と共に学ぶ府立柴島高の教室
知的障害のある生徒が同級生と共に学ぶ府立柴島高の教室
 
 学びの選択肢 知的障害のある生徒の教育現場

 
(中)共に学ぶ教育 −受け入れ高校拡大も

2006/05/08
 大阪府教委は二〇〇一年度、大阪市教委は〇二年度から知的障害のある生徒を公立高校が受け入れる調査研究を開始。研究期間を経て、本年度から「知的障害生徒自立支援コース」が府立九校、大阪市立二校に新設された。また、府立枚岡樟風高(東大阪市)に共生推進教室が設置され、府立たまがわ高等支援学校(同)の生徒二人が四月から通学している。

仲間との高校生活

 一年生の数学の授業は教員とマンツーマン、英語は先生が付き添って教室で一緒に学ぶ。二、三年生の野外活動では、それぞれの生徒が同級生と行動を共にする。府立柴島高(大阪市東淀川区)では、知的障害のある七人の生徒が、仲間と高校生活を送っている。

 同校は調査研究の受け入れ校で、〇一年から毎年二人の生徒が入学し、これまでに六人が卒業。今年は同コースの三人が加わり、三学年で計七人の生徒が学んでいる。

 時間割は▽クラスでの学習▽教員などが付き添うクラスでの学習▽クラスを離れた特別支援教室での一対一の学習▽特別支援教室での障害のある生徒との学習−を組み合わせている。同校は総合学科で、二、三年生は選択授業を受講。知的障害のある生徒は、二、三年時で半分強の授業を同級生と一緒に受ける。

 障害のある生徒は、他の生徒との交流サークルに原則全員が参加し、部活動は個々の希望に応じてダンス部や野球部などに入部している。

 校内には、生徒に応じた時間割の設定やクラス担任との調整、保護者との連絡などを行うコーディネーターを配置。教職員や二人の養護教諭などと連携し、生徒の学習を支援している。

制度的な矛盾

 府内では約96%の公立小・中学校に養護学級が設置され、すべての生徒が共に学ぶ教育が推進されている。一方、高等学校への進学率は約96%に達するが、義務教育を終えた知的障害のある生徒にとっては、入学者選抜での学力検査が問題となる。そのため府教委は、調査書や推薦書、面接を基に入学者を決める選抜方法で調査研究を開始し、高校での受け入れ方策を検討してきた。

 調査研究での受け入れ校は府立五校、大阪市立一校だったが、本年度からは府立九校、大阪市立二校の計十一校に拡大。今年二月の入学者選抜には、十一校全体の定員二十八人に対して九十六人が応募し、競争率は三・四三倍だった。

 受け入れ校は増加したが、財政面の課題は解決されていない。養護学校高等部に関しては国の予算が付くが、公立高校での教職員の増配は地方自治体の負担。枚岡樟風高に通う生徒は、たまがわ高等支援学校に所属し、卒業資格は養護学校高等部となる。財政難に苦しむ府にとって、自前の負担を軽減しながら共生教育を推進する「苦肉の策」といえる。

 高校段階での共生教育については他府県からも問い合わせがあるが、財政負担の面で二の足を踏むケースが多いという。柴島高の和田良彦校長は「希望者全員を受け入れられない心苦しさがある」と語り、「制度的な矛盾」を指摘する。

 


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