箕面市の有志が編集した、人権教育テキスト「ある在日コリアン家族の物語 つないで、手と心と思い−絵と物語で読む在日100年史−」(アットワークス刊)がこのほど発刊された。同時に教材として市へ230冊余りが寄贈され、代表者の※解子さん(53)は市に対して「箕面発、世界に向けての本が出ましたと言ってほしい」と要望し、人権学習の副読本として多民族・多文化理解の一助となることを願っている。
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| 贈呈式で倉田哲郎市長(右から2人目)に書籍を寄贈する、〓(88f5)さん(中央)、藤井さん(左端)ら=5日午前、箕面市西小路の箕面市役所 |
編著は「セッパラムプロジェクト」。基幹となっているのは、1993年に同市で始まった、朝鮮半島の文化をテーマにした祭典「みのおセッパラム」。催しは2001年まで続き、今回はその流れをくむ有志が編集にこぎ着けた。
内容は、架空の在日朝鮮・韓国人一家を題材に、日本による植民地支配や大戦後の混乱期など歴史的背景が描かれている。在日3世に当たる主人公が夏休みの宿題として与えられた作文で、朝鮮王朝で役人を務めた家系に生まれたという祖父から日本へ渡った経緯について知る−という設定。神戸女学院大講師で、編集に携わった藤井幸之助さん(48)は「重いテーマになりがちだが、明るい感じで描きたかった」と振り返る。
ページごとに入る挿絵のほか、家計図や年表、関連する映画などのリストも理解を助けている。また、全文に韓国語の対訳が付いており、語学学習のテキストとしても期待される。本年度の同市NPO補助金の対象となっており、市へ「お返し」(藤井さん)した形。
在日2世に当たる※さんは「まずは同和、障害者、定住外国人といった基本の問題を知ってもらうことから始めなければと思った。箕面だけでなく、近郊でもぜひ活用してほしい」と呼び掛ける。
一方、藤井さんは「人とかかわりを持つことが良いまちづくりにつながる。これは在日朝鮮人に限った話ではなく、子どもたちに自分自身のルーツを知るきっかけにしてほしい」と話している。
寄贈された書籍は、市内の幼稚園や小中学校、市立の各図書館のほか、市教育センターを通じて必要に応じて配布される。
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