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薬物依存症のDVD製作 民間企業と支援施設が連携

2012年1月13日

 やめたくてもやめられなくなる薬物依存症の仕組みや回復に必要なポイントをまとめたDVD「薬物依存症」を、大阪の民間企業が支援施設と連携して製作した。当事者の声を重視し、実態に即した解決策を照らし出している。

DVDについて意見交換する岩田社長(右)と倉田センター長

 製作したのは、病院経営の相談事業などを手掛ける「関西医療福祉コンサルティング」(大阪市天王寺区)。

 公衆衛生を研究する岩田雅彦社長は、薬物依存症の回復支援施設「大阪ダルク」(同東淀川区)を訪れる中で、「薬物依存症は世の中の人に誤解されていることが多い」と痛感したという。

 「ありのままを伝えたい」と、大阪ダルクや同施設とともに、この問題に取り組む支援施設「フリーダム」(同区)の協力を得てDVD製作に着手。「家族用」「学校用」「企業用」の3種類を作った。

 「薬物依存は、本能的欲求の中枢が薬物にハイジャックされた状態」「薬物使用を見つけても通報義務はない」−。医師や弁護士らがそれぞれの立場から薬物問題について解説。薬物依存症者やその家族による体験談からは、それぞれの自助グループへの参加が回復への近道になっている点が浮き彫りになる。

 家族らによって「使用者本人をコントロールしようとせず、借金などの問題を肩代わりしない」といった関わり方のポイントも示している。

 DVDにも出演した大阪ダルクの倉田めばセンター長は「薬物依存症からの回復は可能。支援施設や専門家に助けを求めていい病気ということを知ってほしい」と強調。一方で、「薬物を使っている人は身近にいる。人ごとと思わないで」と警鐘を鳴らす。

 違法薬物(有機溶剤を除く)を使った経験がある人は、国内の15〜64歳の1・7%(2009年厚生労働省)。関西4大学の調査では、本年度の新入生うち、約3分の2の学生が大麻の入手が可能と考え、3・5%が「周囲に大麻を所持、使用している人がいる」と答えた。

 岩田社長は「使用が分かれば、隠すか追放するしかなく、医療的サポートもない」現状を憂慮。DVDを予防教育にも生かしてもらい「薬物依存症者が回復できるよう、社会に寛容さが生まれていけば」と話している。

 DVDは全て2枚組み。家族用は3150円、学校用と企業用は各3万1290円。問い合わせは電話06(6764)1608、関西医療福祉コンサルティングへ。