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ウイッグで前向きに 脱毛悩む女性を応援

2017年3月19日

 抗がん剤治療の副作用や脱毛症で髪がなくなる女性のために、医療用ウイッグ専門店を運営するグローウィング(大阪市北区、堀江貴嘉社長)は4月11日、悩みを抱える当事者をモデルにした撮影会を開く。自らも先天性乏毛症を患う同社広報担当の岡本紗和さん(26)は「ウイッグの質を知ってもらい、少しでも前向きになってもらいたい」と話す。

自在なアレンジが可能のウイッグが並ぶグローウィング社内の一室。「脱毛症の女性が前向きに生きられるきっかけを作りたい」と話す岡本さん=14日、大阪市北区梅田

 4回目の撮影会には全国から約20人の応募があり、全頭脱毛症の20、30、40代の3人を選出。写真は広報用に使用するため脱毛症をカミングアウトすることになるが、「前向きに生活したい」と応募者は毎回増えている。

 これまではウイッグを着けたままのシャンプーや、強風を当て生え際の自然な見え方などを撮影するなど、品質の高さを裏付ける。

 撮影で使うオーダーメードウイッグは、本体価格は長さに応じて約21〜24万円。内側はオーガニックコットンで通気性も良く、地肌に見立てた肌素材や生え際のレースを使用。一度もカラーリングしていない人毛100%を使い、“本物”に近い仕上がりを可能にしている。

 悩む女性に寄り添う姿勢や品質が認められ、2008年の創業から現在は会員数8500人。カットやトリートメントを行うサロンは全国18店舗に増えた。

 岡本さんもウイッグで人生が変わった一人だ。「病気を隠すようで嫌だった」と高校時代までウイッグと無縁の生活。「人の目は気になるし、友人とも髪形やおしゃれの話には入れなかった。『どうせ私には無理』と諦めていた」

 大学時代から着け始めるも不便さがつきまとった。友人と旅行に行き、初めてカミングアウト。決心して話したはずが、ぽろぽろと涙がこぼれた。悩みを解決してくれたのが、着けたまま温泉に入れ、夢だったポニーテールができる同社のウイッグだった。

 卒業後は別の会社で営業をしていたが、「同じ病気の女性の気持ちも分かるし、自分にしかできないこと」と昨年11月に転職。広報担当として、ウイッグのアレンジ講座やメーク講座を開き、悩みに寄り添っている。

 撮影会やイベントも悩みを共有する場になっているという。「病気で脱毛症になることを受け入れられず、外出もしたくないし、人と話したくない人も多い。でも少しでも前向きになるきっかけになれば」と願う。


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