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パクチー無限の可能性 空前のブーム到来

2017年4月21日

 主にアジア料理に使われる香味野菜「パクチー(コリアンダー)」が、ブームになっている。大阪市中央区南船場の「GOGOパクチー」は、大阪で唯一のパクチー料理専門店。煮て焼いて揚げて搾って。多彩なパクチー料理に“パクチニスト記者”は思った。「パクチーには無限の可能性がある!」と。

パクチーのビアカクテルを手に「乾杯!」。田淵さんは、イベントや特別な日には、顔や手を緑色に塗る「パクチーマン」に変身する。料理は(右から)パクチー炒飯、パクチーのクリームブリュレ

 独特の香りが「カメムシっぽい」と敬遠されていたのも今は昔。スーパーでは、調味料はもとより、パクチー味のインスタント食品やスナック菓子、漬物などの加工品が多数並ぶ。レシピ本が人気を集め、パクチー好きを「パクチニスト」と言うらしい。

 日本と台湾のハーフであるオーナーの田淵雅圭さん(34)にとって、パクチーは幼いころから家庭の味だった。家業の担々麺屋で、パクチーに「コアなファンがいる」ことに気付き、友人の店でパクチーづくしのイベントを開催すると、その店の過去最高の売り上げを記録。家族の反対を押し切り、2014年10月に開店した。

■国境越える

 「とがったことをしてこそ、パクチー好きの人に喜んでもらえる」と、メニューはパクチー一色。

 「パクチー炒飯(チャーハン)」は、あらかじめ米や具材にパクチーペーストをまとわせてから炒め、「油淋鶏(ユーリンチー)」は、衣と甘酢にもパクチーを入れ込んで、その名も「パクリンチー」。「パクチー麻婆(マーボー)豆腐」は、餡(あん)にパクチーペーストを入れて見た目も鮮やか。いずれも、生のパクチーが大量に盛られて完成。一切の妥協がない。

 さらに、パクチーの搾り汁を加えた「パクチー茶わん蒸し」に「パクチーのクリームブリュレ」。パクチーのビアカクテルは、なめらかで濃厚な味わいだった。

 「火を入れると、独特な風味は弱くなるが、甘さを感じる。だしもよく取れる」と田淵さん。和食とも相性がいいとして、酢飯やあん肝にもお薦め。パクチーは料理の国境を軽々と越えていく。

■常備野菜に

 店は週末の夜になると予約で満席。客層は30〜40代の女性がメインで、3〜4人の“女子会”が多いという。

 空前のパクチーブームに田淵さんは「パクチー好きは以前からいたが、市民権がなかった。近年、国内の生産体制が整い、加工商品が多く出てきた」とみる。

 現在、店では長野や静岡、北海道、沖縄の与那国島など18カ所の農家と契約。2日に1度10キロほどを直送で仕入れている。

 パクチーは、香りのアロマ効果のほか、栄養素ではビタミンB1が豊富で抗酸化作用も期待できる。

 田淵さんの願いは、パクチーが常備野菜になること。「パクチーが珍しくなくなって、店が必要なくなれば辞めますよ」。店がなくなるのは困るが、願いがかなう日は遠くなさそうだ。