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レンコンでまちおこし 門真で伝統野菜が一役

2017年5月19日

 門真市の伝統野菜「門真れんこん」がまちおこしに一役買っている。市民交流施設で開かれている恒例の「朝市」では、うどんや洋菓子などの加工品が人気。魅力と歴史を伝える活動家も活躍し、レンコンを題材にした地域通貨も流通している。関係者はレンコンを通じて「地域をつなぐ役割を担いたい」と意気込んでいる。

各地で門真れんこんをPRする中西さん(左から4人目)
レンコンパウダーを生地に練り込んだ「門真れんこんうどん」=門真市

 地元には池や沼に素潜りして茎を切る「沈み掘り」という古来の収穫法があり、名人は「池師」と呼ばれた。栽培農家の一人で、普及に取り組む中西正憲さん(60)によると、市内では第二京阪高速や宅地の開発など都市化の中で栽培地が激減。現在はピークだった1955年ごろの20分の1に当たる5ヘクタールで、沈み掘りも73年を最後に途絶えたという。

■盛り上げ

 本来は「河内れんこん」として知られるが、他地域と差別化するため「門真−」の名称でブランド化。加工品も多彩だ。

 製麺卸の「若狭や製麺所」は、1年半前からパウダー状にしたレンコンを細麺に練り込んだ「門真れんこんうどん」を手掛ける。使う小麦粉も見直すなど改良を重ねてきた。鉄分が豊富で、ゆで汁で雑炊にするのもお薦めだ。

 同店の窪田俊之さん(60)によると、今年に入り売り上げがぐんと伸びたという。リピーターも多く、窪田さんは「地元が盛り上がる力になれば」と期待する。他にもロールケーキや焼酎、もなかと盛りだくさんだ。

■民話を紹介

 「レンコンの歴史を皆に伝えたい」と話すのは元小学校教師の酒井則行さん(70)。5年ほど前に中西さんと出会って郷土史を研究するようになり、「門真の蓮根(レンコン)ヒストリー」という本にまとめた。

 その中に「門真れんこんと御用提灯(ぢょうちん)」という民話が紹介されている。江戸末期、レンコンの行商のため奈良街道を越える道中、夜盗に襲われる事件があった。村人は一計を案じ、資金を出し合って奈良の春日大社へ灯籠の寄進を決めた。そうして御用提灯を授かったところ、難に遭わなくなったという。参道には150年以上前に寄進された灯籠が今も残り、2006年からは装束行列も再現されている。

 21日には、地元団体でつくる実行委が、生駒山を越えて奈良へ向かった先人たちに思いをはせる「河内れんこん商い道ウォーキング」を開く予定だ。

■もっと元気に

 旧府立高跡地にある市立門真市民プラザでは、毎月第2日曜に約30のブースが並ぶ「プラザde朝市・門真もん」(午前10時〜午後1時半)が開かれ、レンコンの加工品などを求める市民らでにぎわう。

 ボランティアなどをすると受け取ることができるレンコンに引っかけた地域通貨「蓮(れん)」の利用も10年の発行から累計で1億蓮(円)を超えるなど地域のにぎわいの一助となっている。

 朝市はレンコンのPRにも一役買っており、企画に携わる市立生涯学習センター長の実島直美さんは「門真がもっと元気になってほしい」と来場を呼び掛けている。


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