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福田こうへい 昭和人情たっぷり 舞台「母ちゃんの浜唄」

2017年9月14日

 歌手の福田こうへいが大阪新歌舞伎座で2回目の座長公演を行っている。前回の芝居は「歌こそ我が命〜三橋美智也物語〜」で、民謡出身の昭和の大歌手を演じて華やかに舞台を飾った。そして今回は昭和30年代後半に自身と同じ岩手から東京に飛び出した青年が故郷の母親を思いながら働く男を人情味豊かに演じる「母ちゃんの浜唄」(さわだすずこ原案、堤泰之脚本・演出)である。

「母ちゃんの浜唄」の福田こうへい(左端)

 東京・築地の隅田川の川岸にたたずむ男が何か物思いにふけっている。そこは東京の台所といわれるかいわいで、ここで働くこうへい(福田)が、中学を卒業して集団就職で上京し下町の乾物屋に住み込みで働いていたころを懐かしく思い出しているところから物語は始まる。

 こうへいは人の良い店の主人の伊佐男(大竹修造)と雅美(遠藤真理子)の夫婦にかわいがられ、近所の食堂に勤める和子(小林綾子)に恋をしている。時代は東京オリンピック前で街は活況に満ちており、乾物屋で先輩だった剛(西山浩司)から転職した建設会社に誘われて就職するのが人生の岐路になっていく。そこへ母親のはる(角替和枝)がひょっこりやって来て、息子と繰り広げる泣き笑い場面が見どころである。

 福田の岩手弁はリアルで、素の生活感と重なって役に成りきっており、うまくはまっている。劇団出身の角替があの時代の母親像を少しデフォルメしながら好演しており笑わせて、素朴な福田の芝居とうまく絡み合っていい親子ぶり。福田はまだ41歳で昭和の体臭は濃くはないが、雰囲気は昭和を漂わせている。三橋美智也の後継者というイメージがあるからだろう。

 第2部は「福田こうへい コンサート2017」(福田こうへい構成、宮下康仁演出)で、デビュー曲「南部蝉しぐれ」から新曲「道ひとすじ」までを熱唱する。21日まで。


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