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2017衆院選大阪 大阪の課題と今(3)

2017年10月7日

 少子高齢化が進む中、政府は社会保障をこれまでの高齢者中心から全世代型に見直す方針を示す。全国傾向と同じく、高齢化率(65歳以上が総人口に占める割合)が右肩上がりの大阪市でも、健康や介護に対する市民の関心は高く、地域の実情に合わせた各区の取り組みが進んでいる。

高齢化の進む日本で、いかに健康に年を重ねるか。国民の関心が高まっている(本文とは関係ありません)

■25年予測は27%

 「国のことは分からんし、自分で気を付けなあかんわ」−。9月、同市旭区の区民センターで開かれた認知症の予防講座で、60代の参加女性は苦笑いしながらこう話した。同区は高齢化率が市平均を大きく上回る29・4%(2015年10月1日時点、国勢調査)で、市内で3番目に高い。認知症には関心も高く、平日昼すぎの会場はほぼ満席になった。

 「大阪市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(2015〜17年度)」によると、2010年に22・7%だった市内の高齢化率は、20年に26・7%、25年には27・0%になると予測。15〜20年には後期高齢者数(75歳以上)が前期高齢者数(65〜74歳)を上回る。

 こうした実情に対し、重点的な取り組みとして位置付けるのが、自立した生活を促す「介護予防」の充実や、住み慣れた地域で自分らしい生活を最期まで送れる「地域包括ケアシステム」の推進体制の構築だ。

■自宅訪問型診査

 同市旭区は、要介護3以上で寝たきりの高齢者を対象に歯科健康診査事業を10月から始めた。医療機関に通院して受診する後期高齢者医療歯科健康診査があったが、医師による自宅訪問型は市内で初めて。

 区内では要介護3以上の65歳以上が約2200人おり、そのうち約200人が対象となる見込み。区歯科医師会はボランティアで、本人負担は無料だ。

 区保健・子育て支援担当課の近藤義彦課長は「寝たきりの高齢者にこそ診査の必要性が高く、その隙間をどう埋めるか課題だった。意識の高い旭区歯科医師会の働き掛けで実現できた」と説明する。

 「区が独自に取り組んでくれているのは安心感がある」と評価するのは、区内で空手道場を開く南勝也さん(74)。自身のことよりも今気がかりなのは「道場のかわいい子どもたち」のこと。「政治家には少子化に対応した政治をやってほしい」と願っていた。