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人材確保に若者目線 東大阪・ハローワーク布施

2017年10月18日

 東大阪市のハローワーク布施は、地元の大学生らと連携しながら地域の中小製造業の課題解決を図る、全国初の試みをスタートさせた。人手不足が深刻化する中、人材確保関連でデータの蓄積があるハローワークの強みと、若者の当事者目線や専門知識を組み合わせて対策を練るのが狙い。名案が生まれれば、来年度の事業化も視野に入れている。

出発式で油谷所長(左)から今回の取り組み用の名刺を受け取る学生ら=東大阪市のハローワーク布施

 同ハローワークは、管内の東大阪、八尾両市の現状を問題視して企画。両市は、全事業所数のうち製造業が2割余りを占め、府全体の1割より多い。前年度にハローワークで新規受理した求人の製造業の割合は、府内の7・7%に対し管内では22・7%に上り、人手不足が浮き彫りになっている。

 管内で中小企業の振興策を研究している大学に声を掛け、大阪商業大(東大阪市)、大阪経済法科大(八尾市)との連携にこぎ着けた。

 それぞれ10人余りの学生が参加し、計約30社の地元製造業を訪問して事業課題を聞き取る。商品開発や需要の開拓といった面よりも、人材確保策や職場定着関連の課題把握に特に注力する。

 課題の抽出後、学生は大学のゼミやハローワーク関係者とともに、対策について試行錯誤。年度末の報告会で発表し、効果が期待できるものはハローワークが事業化を検討する。

 9月には、同ハローワークで出発式があり、学生は職員から今回の事業用の名刺を受け取ったり、企業への聴取事項の説明を聞くなどした。経法大経済学科4年の増田梓実さん(21)は「若者がどういう思いで働くかといった、当事者の意見を伝えていきたい」と決意を示していた。

 これまでゼミで需要開拓関連に取り組んできた、経法大の高橋慎二教授(中小企業政策)は「人材の確保や育成について研究できれば、多種多様な中小企業施策について提案していけるようになる」と歓迎。大商大の粂野博行教授(中小企業論)は「大企業に注目しがちな学生が、中小企業について見聞を広める機会にもなる」と期待を寄せている。

 同ハローワークの油谷孝行所長は「取り組みの成果を府内全体に波及させていきたい」と、今後の展開に意欲を示している。