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学童保育にフルーツを 上本町の老舗「山口果物」

2017年11月7日

 大阪市中央区上本町西の老舗果物店「山口果物」が、昨年から学童保育のおやつに果物を無償提供し、果物のおいしさや農家の現状を教える活動に取り組んでいる。今後、定期的に活動するため、インターネット上で不特定多数から資金を募る「クラウドファンディング」に挑戦中だ。日本人の果物消費量が年々減少する中、3代目店主の山口直克さん(40)は「子どもたちに果物を食べる習慣とともに、農家を守るためにはどうしたらいいかということを伝えたい」と訴える。

「子どもたちに果物のおいしさを伝えたい」と話す山口さん(左)と手塚さん=大阪市中央区
スイカを切り分けて説明する山口さん(山口果物提供)

 学童保育は、日中保護者が家にいない小学生が放課後を過ごす場を提供する保育事業。多くが保護者も運営に関わっており、運営資金も限られている。山口さんの小学2年の長女も学童保育に通っており、それが活動のきっかけだった。

■無償の限界

 学童保育ではおやつを提供しているが、費用と火気使用ができない施設の問題で、ほぼ毎日が市販されているお菓子だった。栄養の偏りを心配する保護者の声が上がり、昨年11月、山口さんが和歌山県産のミカンを提供することになった。

 1箱10キロを3箱。店で取り扱うミカンなので、品質は折り紙付き。無償提供は店にとってはマイナスだったが、「子どもに果物のことを伝えるのを対価と考えた」と山口さん。

 おいしいミカンの見分け方や栽培技術を得るための苦労、農家が置かれている状況を子どもたちに説明。7月には鳥取県産スイカを3玉提供した。専用の包丁で実際に目の前で切り分けると、子どもたちも思わず声が上がったという。

 保護者からは「スーパーに行くと、子どもから『おいしいやつ見分けたる』と言われた」との声が届き、評判を聞いた近隣の学童保育からも依頼が来た。しかし、応えたくても費用の問題が横たわった。

■良さ伝える

 クラウドファンディングの活用を提案したのは、運営部統括マネジャーの手塚章元さん(39)。「企業に協力を求めるより、活動についてより広く知ってもらうきっかけになれば」と、国内最大のクラウドファンディングサービス「Readyfor」に登録した。

 目標金額は50万円。果物の仕入れのほか、運搬費用やスタッフの人件費で1度の実施で5〜7万円と見積もる。月1度の開催を半年継続か、年に数度、季節ごとに旬の果物を届けるやり方も模索する。

 山口さんは「果物はデザートやおやつのほか、運動する前のバナナなど、マッチングができていないだけで食べるシーンは多い。果物の良さを伝える活動が大きく広がってほしい」と願う。

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 寄付は24日まで。専用ページ(https://readyfor.jp/projects/fruit−garden)で受け付ける。チャレンジ名は「日常にもっとフルーツを!学童の子ども達に果物の食育を届けたい」。