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人を生かす鍵 山田製作所、3Sで効率的働き方を

2017年11月8日

 産業機械メーカー「山田製作所」(大東市)は、「整理、整頓、清掃」の3Sを徹底し、効率的に仕事ができる職場で社員の自律性と課題解決能力を育んでいる。ルールを守れば物を探す時間が数十分の1に短縮されたりと、体験を通して効果が実感できるため、さらなる行動を引き出せるのが特長。身の回りの環境そのものが、人を生かす鍵として機能している。

壁に規則正しく設置された工具を前に3Sの重要性を指摘する山田社長=大東市

 工場から事務スペースまで、社内の工具や文具は、いつも同じ位置、同じ向きで、数も決めて設置している。置く場所には目印を付け、物には何のために使うかなどを表示。山田茂社長(54)は「整頓とは、いつでも誰でも要る物を60秒以内に取り出せるように並べ置くこと」と説明する。

■意識変わる

 同社は、中小企業として自社の強みをどう打ち出していくか模索する中で「3S活動」に着目。半年以上使わなかったら「要らない物」といった基準を定め、社内の物品を整理。必要な物については、整頓して用いるルールを明確化し、回りに汚れがないよう清掃活動を繰り広げている。

 かつては物を探すだけで10、20分とかかる場合もあったが、1分以内へと短縮され、業務時間の無駄を削減。問題点が見つかれば改善していく習慣を浸透させてきた。

 入社4年目の冨尾美結さん(21)は「物忘れは多い方だったが、入社後意識が変わった。ルールを守れば効率的に動けるのを実感している」と笑顔を見せる。

■価値観がそろう

 徹底した3S活動が注目を集め、多くの見学者や職場体験の子どもらが訪れるようになると、社員の主体性や課題解決能力を育む舞台にもなった。

 職場体験では、若手社員らがプログラムを試行錯誤。児童から学生まで、相手に応じて組み立てている。製造グループの高倉湧麻さん(23)は「コミュニケーションの取り方を含め、新しいことを勉強する機会になる」と指摘する。

 「分からなかったら黙っとこうという姿勢が、一から勉強したいとなってきた」と高倉さん。今は品質管理に関する若手向け勉強会の講師役も担うようになった。

 工場を見学した企業からは「これだけ清潔なら信用できる」と、取引の成約に結び付くケースもしばしば。「現場が最高のセールスマン」(同社)だ。

 山田社長は「活動を通じて全社員の価値観が一緒になり、何事にも全社一丸で挑戦する気持ちができた」と3Sの効用を説いている。