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ラストステージで完全燃焼 OSK娘役 恋羽みう

2017年11月24日

 かっこいい娘役から夢をもらい、今度は夢を与える存在になろうと強い意志を持って駆け抜けた10年。OSK日本歌劇団娘役の恋羽みうが、25日から始まる公演「Dracula(ドラキュラ)」で退団する。「人生設計の中で、そろそろかな」と決意し、ラストステージに「完全燃焼したい」と稽古に臨む。

今まで踊り歌い続けてきたので、いきなりやめたら体がびっくりしそう。何かしらの形で続けていきたい」と話す恋羽みう=大阪市内
「シリアスでドラマチックな作品」という「ドラキュラ」がラストステージとなる恋羽みう

 2007年「レビュー春のおどり」で初舞台を踏み、同年誕生した娘役ダンスユニット「チェリーガールズ」のメンバーに抜てきされる。優雅でいて瞬発力のある高いダンス力に定評があり、また歌も芝居も一作ごとに力をつけて各種公演で主要な役どころを担ってきた。

 吹田市出身で、高校卒業後いったんは大学に進学したが、2回生の時に長年憧れていたOSK入団を目指す。家族からは「取りあえず大学は出よう」と諭されたものの、意志は固かった。大きな決断だったが「何一つ後悔がない。あのタイミングで決めたからこそ、83期として入団でき本当に良かった」と振り返る。

 85周年を記念して誕生した「チェリーガールズ」のメンバーに選ばれたことで、新人ながら注目を集める。娘役5人で大劇場公演の一場面を任され、OSKの伝統である“かっこいい娘役”として歌って踊る。

 「上級生の方々に手取り足取り、一つステップを踏むたびに教えてもらうくらいだった。無我夢中に、ただ一直線に突き進むパワーは今とは違う感覚だった」。公演を重ね、メンバーの入れ替わりもあり「いい意味でプレッシャーも変化していった」。

 トップスターと組む機会も多かった。現トップの高世麻央には「私にはない引き出しを教えてくださり、いろんなことを伸ばしていただいた。お近くで(舞台に立て)本当に幸せだった」と感謝の思いを吐露する。

 娘役の先頭に立ち、“これから”という周囲の期待もある中、「もったいないくらいのいろんな場面に出させていただいた。近鉄時代の方たちには全然及ばないが、頑張ってついていったという思いはある」という充実感、そして「フレッシュでかわいらしい子が、たくさん入ってくれている。将来頑張ってくれるという期待もあって」、10年を区切りと決めた。

 ラストステージ「ドラキュラ」は北林佐和子の作・演出。「悠浦あやとさん演じるドラキュラが、どうして人の生き血を吸って生きることになったのか。そのきっかけとなる役どころで心情の変化がものすごく難しい。客席に伝わるよう丁寧に演じていかなければ」

 ラストには、恋羽のためにフィナーレナンバーも用意された。「北林先生が愛にあふれた歌詞を書いてくださり、本当に驚いた。白いお衣装も着させていただけて…幸せです」

 後輩には「舞台に立つのは並大抵の根性や覚悟ではできないこと。自分が目指す娘役・男役像を明確に持って、夢を与える存在としてキラキラと輝いて常に明るく笑顔でいてほしい」と願う。彼女こそ、まさにそのお手本だった。

 ※公演は25日〜12月3日、大丸心斎橋劇場。ほか出演は愛瀬光、りつき杏都、登堂結斗、すばる未来、壱弥ゆう、彩ひとみ、雪妃詩、紫咲心那、蘭ちさと、渚美怜、朝香櫻子(特別専科)。問い合わせは電話06(6251)3091。