大阪ニュース

秘策「裏口入社」も 中小人手不足で交流団体

2017年12月9日

 人手不足の中で中小企業の採用力を高めるコミュニティーをつくろうと、採用支援事業を手掛ける大阪の企業が任意団体「関西人事交流会」を立ち上げた。最終面接に残った学生を、会員企業間で共有する仕組み「裏口入社」をはじめ、定期的なセミナーを開いたりしながら企業間の学び合いを促進。関西の採用市場を活性化していく構えだ。

企業関係者らに「人事担当者の採用力を向上させていきたい」と意欲を示す西崎代表(左)=大阪市中央区

 交流会を主宰するのは、採用支援企業「トゥモローゲート」(大阪市中央区)。学生に有利な「売り手市場」が続く中、中小企業の新卒採用には工夫が必要とされるが、同社の調べでは「やり方が分からない」との企業の声が顕在化した。

 特に「他社の成功例を知りたい」「悩みの相談相手がほしい」といった要望を踏まえ、各社の人事担当者らでつくる交流会の発足を企画。11月からスタートし、会員企業は約20社となった。初年度は60社の参画を目指す。

■いきなり社長面接

 目玉の仕組みの一つが「裏口入社」。参加企業は、最終選考に残った学生に「パスポート」を発行する。その企業で不採用となった学生はパスポートが使え、次に選考を受けたい参加企業に登録。その選考では、社長面接から始まるのが特徴だ。

 最終選考まで進んだ学生の能力は高いと考え、より効率的に魅力のある学生と企業が出会えるようにするのが狙い。

 また、中小ベンチャー企業に関心がある学生50人前後と5社前後が参加し、グループに分かれて交流する企画「就活アフターファイブ」も行う。会員企業の旭商工の山下敦史社長(45)は「中小企業の色を出した最先端の採用や人事情報を得られるのでは」と期待を寄せている。

■情報を読み解く

 「販売戦略のように採用戦略を考えて」−。6日に大阪市中央区で開かれた初めてのセミナーでは、新卒採用支援企業「アイプラグ」(同市淀川区)の中野智哉社長が、約50人の企業関係者にこう呼び掛けた。

 販売戦略では、商品を売り出す市場や競合相手の分析に注力するように、採用でも求職者の意思決定要因や競争相手の情報を読み解く重要性を強調した。

 セミナー後は懇親会も実施。ヤマト自動車総務課の竹谷勝也課長(39)は「お互いの情報交換ができて有意義だった」と喜んでいた。関西人事交流会では、2カ月に1回程度、採用手法を学ぶセミナーを繰り広げていく予定だ。

 交流会代表の西崎康平トゥモローゲート社長(35)は「中小企業の採用力向上のためには、人事担当者の成長が不可欠。関西の採用市場をさらに活性化させていきたい」と意欲を示している。