大阪ニュース

なぜ、罪を犯したのか 更生施設塾生が来月プレゼン会

2017年12月30日

 少年院や刑務所を出た若者の更生中間支援施設「良心塾」(大阪市福島区)の塾生が1月7日、自らの過去と未来への決意を社会に向けて発信するプレゼンテーション会に臨む。伝えたいのは「これまでの自分とこれからの自分」。黒川洋司塾長は「なぜ、彼らは罪を犯したのか。少年犯罪の根源を見てほしい」と訴える。

塾生が授業で作ったパネルを説明する黒川塾長。「裏切られることも多いが、彼らが変わっていく姿を見るとうれしい」と話す=大阪市福島区

 「良心塾」は、少年院・刑務所の出所者を雇用し、健全な社会復帰を促して再犯率を抑えることを目的とした日本財団の「職親(しょくしん)プロジェクト」の一環として、2015年11月に設立。住まいとともに、国語と英語の基礎学力の学び直し、金銭管理などの社会常識、対話から自分自身を見つめ直す「メンタリング」の授業を受ける。

■罪は消えない

 黒川塾長自身も非行に走り、「反社会的な考え」で30代まで過ごしてきた。しかし、35歳の時、女手一つで育ててくれた母が急死。「本当に変わらなければならない。世の中の役に立つ人間になりたい」と、経営学を学ぶうち、お好み焼きチェーン「千房」の中井正嗣社長と出会い、職親に参加した。

 塾生に共通しているのが、身元引受人がいないこと。家族が受け入れを拒否するか、そもそも家族がいない場合も多々ある。そして、塾生のほぼ全員が幼少期に虐待と育児放棄を受けてきたという。

 少年犯罪と愛情不足の関連を指摘する専門家は多い。幼少期に受けるべき愛情を知らずに育った彼らは、自尊心が低く他者への共感が乏しいのだ。「彼らの罪は消えない。でも、被害者でもある」と黒川塾長。

■根源は無関心

 プロジェクトは1月3日から5日間、塾生にプレゼンテーション能力を高める集中講義を行い、最終日の7日に発表する。黒川塾長は「過去と向き合い、更生への決意を多くの人の前で発表することで、塾生に自信を持ってほしい」と願う。

 少年院や刑務所の出所者へ社会の偏見は根強い。それでも黒川塾長は言い切る。「罪を犯した彼らはSOSを出していた。でも、社会が無関心集団だった。愛情の反対は無関心。彼らの過去を知り、少年犯罪の根源を見てほしい」

   ◇  ◇

 塾生の発表はプロジェクト最終日の1月7日午後1時半から、大阪市阿倍野区の阿倍野市民学習センター(あべのベルタ3階)で。塾生4人が発表するほか、黒川塾長の講演、講師の南徹タイワロジーアカデミア学園長が講演を行う。参加費は3千円。問い合わせは電話06(6449)2227、良心塾。