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平野区「青春生活応援事業」 個別相談支援、成果

2017年12月31日

 2年目を迎えた大阪市平野区役所が取り組む「ひらの青春生活応援事業」。高校生年代を対象にした不登校・中退予防の支援を個別に行うのが特徴で、12月初旬には成果や現場の声を聞くフォーラムがあり、“個別ソーシャルワーク”を行う事業の有用性を確認した。関係者は「貧困や中退の問題は簡単ではないが、事業を継続していき、他地域にも広がれば」と願う。

現場の声を交えながら現状の課題と若者支援の重要性について考えたフォーラム=12月、大阪市平野区のクレオ大阪南
ひらの青春生活応援事業のPRキャラクター

 事業は、将来の安定した自立に向けた生活基盤の整備を促すことが狙い。高校中退後は潜在的に引きこもるケースもあり、不登校のおそれのある、おおむね15〜18歳に対して生徒と保護者の同意の下、支援計画に基づいて家庭訪問を中心に、レクリエーション支援などを行う。

 支援員が必要に応じ福祉、教育機関と連携して高校生活の定着や転学といった相談支援にのる。予算は委託料などを含め約800万円で、10代後半の若者支援を続ける「officeドーナツトーク」に委託している。

 ハイティーン(10代後半)の支援事業に地域の自治体が取り組むのは珍しく、スタートした2016年度の問い合わせ・相談件数は累計で68件で、これまで支援した高校生は30人を超えた。

■強み生かして

 12月に区内で「ひらの青春ローカリティ2」と題したフォーラムが開かれ、応援事業の事例報告や関係者の討論で若者支援の重要性を考えた。区外の参加者もあり、定員を超える参加者数に関心の高さがうかがえる。

 事例報告では、支援員が生活保護世帯の不登校ケースなどを紹介。「子どもの周りに大人が少なく、ゆっくり話を聞いてもらえる人がいない」と話し、親や教員以外で大人と関わる機会が少ない年代に、第三者的な大人の支援員には、子どもが思いを吐露しやすいという。

 また学校、企業、行政が参加した討論では、登壇者から「支援は早ければ、早いほどいい」といった声のほか、一人一人を気に懸けてくれるネットワーク構築の必要性を訴え「それぞれの強みを生かした連携を」と発展に期待を込めた。

■前向きに

 事業を担当する平野区保健福祉課の塩川悠係長は、さまざまな境遇にある高校生たちの明るさに支えられ、「支援する側もされる側も、前向きになった」と一つの成果と捉える。さらに「子どもの問題は地域の問題。貧困の連鎖を食い止めるため、将来に向けた着実な成果につなげていきたい」と決意を新たにした。