大阪ニュース

訪日客を丹後に 伝統織物のストール開発

2018年2月6日

 旅行業と旅の着地先が地域活性化で結びつき、相互発展を目指す試みが進んでいる。JTB西日本(大阪市)は、京都の伝統産業・丹後織物のストールを現地と共同開発し、1月末から販売を始めた。地域資源を磨き、魅力を国内外に発信することで、訪日外国人客でにぎわう都市部から、周辺地域に波及させる効果にも期待を寄せる。

JTB店舗などで販売されている丹後織物のストール=大阪市北区のJTB関西・東梅田支店

 開発した商品は、絹をベースに糸状の牛革を織り込んだ新素材「レザーシルク」のストールや、日本古来の染め技術で仕上げたもの、絹をループ状に仕上げた糸で織り上げた柔らかさのあるものなど、トレンドを意識した6種類。

 価格は1万8千円〜5万7千円(税別)で、JTB関西・東梅田支店と京都府京丹後市の宿泊施設など計4店舗で扱っている。

■本物伝える

 JTB西は昨年5月、丹後の織物業者、京都府丹後広域振興局と「丹後織物桃源郷プロジェクト」を立ち上げ、日常使いできるストールを商品化に着手した。フランス人デザイナーを起用し、「日本の本物を伝える。外国人に目を向けてもらいやすい」と話した。

 丹後地域は国内最大の絹織物産地で、丹後ちりめんは2020年に誕生300年を迎え、世界品質の織物素材として知られる。一方で着物需要の低迷もあり、生産量はこの40年間で4%にまで落ち込んでいるという。

 今後は商品の開発・販売だけでなく、織物の町並みや歴史、工房見学なども含めたツアー造成などの検討を進め、観光消費の拡大につなげる。

■地域に波及を

 このほかにもJTB西は、日本の農林水産物の海外直販など食と農による観光ブランド事業や、大阪ミナミの道頓堀を「エンターテインメントと食」の観光地に発展させるため、地元商店会とエリアマネジメント連携協定を結ぶなど、地域ならではの振興に注力する。

 大阪では、訪日外国人客数が2017年に約1111万人と過去最多を更新し、観光消費などの訪日客効果を、周辺地域に波及させる取り組みが求められている。

 プロジェクトを担当した、JTB西の石村英之観光開発プロデューサーは「これをきっかけに付加価値や技術伝承などにつながれば」と話し、「旅行会社としても着地側の地域が輝くことで連動して輝ける」と、各地でさまざまなプロジェクトを進めたい考えだ。