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外国人留学生の就職支援に本腰 府内4大学タッグ

2018年2月9日

 グローバル戦略の一環として、政府が2020年までに「留学生30万人計画」を掲げている。一方で、外国人留学生の日本国内での就職と、その後の定着が課題だ。企業の海外進出を背景に、大阪府内では国公私立大がタッグを組んで留学生支援に本腰を入れている。語学の習熟はもちろん、日本文化の習得を含むコミュニケーション能力の養成に力を注いでいく考えで、担当者は「就職率を6割へ伸ばしたい」と展望している。

外国人留学生(右後方)らの本音に企業の担当者らが詰め掛けた=1月、大阪市北区の関西大梅田キャンパス

■一貫サポート

 「減少する日本の労働人口を考えると、女性と外国人材の活躍は不可欠だ」。1月下旬にあったシンポジウムで、主催者が問題提起した。就職を迎える外国人留学生の6割が日本で働く意思があるものの、実際に就職したのは3割台にとどまったという調査を踏まえた発言だ。

 支援事業を手掛けるのは関西大、大阪大、大阪市立大、大阪府立大を含む4大学や自治体、企業でつくる「ケアーズ・コンソーシアム(共同事業体)」。

 日本の企業風土になじめなかったり、雇用のミスマッチや離職のリスクを抑えようと、入学から就職活動、定着まで一貫してサポートする文部科学省の委託プログラム「サクセス大阪」を昨年スタートさせた。

■要求の明確化を

 ケアーズが主催したシンポジウムでは、日本企業での就業体験(インターンシップ)に参加した9人が、「留学生からの質問状」と題して報告した。

 外国人を既に採用、または採用を検討している企業の担当者ら約180人が見守る中、「ほしい人材の明確化が必要だ」と逆提案もし、率直な疑問を投げ掛けた。

 4大学の留学生を対象にした独自の調査結果も発表。「就職を希望する企業の規模」は38%が「規模にこだわらない」と回答したことや、「日本企業の求人票の不思議」として「必要な資格、技能、経験が明記されていない」ことが1位となり、出席者が驚く場面もあった。

■企業も関心

 訪日外国人客の活況に伴い、中堅や中小企業も語学スキル、ビジネスマナーを備えた「高度外国人材」の雇用に関心を寄せているという。

 シンポジウムで登壇した府商工労働部の担当者は、独自調査を踏まえて「外国人を既に雇用している企業は効果を感じており、今後の採用にも意欲的。きっかけがあれば、採用も増えていくのではないか」との見方を示す。

 ケアーズでは今後、企業側ではなく“大学発”として、インターンシップの共同開発につなげたい考え。事務局に当たる関大国際部の吉田圭輔さんは「プログラム(サクセス大阪)の理念を、企業へさらに伝えていきたい」と期待を寄せた。

ミニクリップ

 外国人留学生 政府は東京五輪が開かれる2020年までに、日本国内で学ぶ外国人留学生の数を30万人にする目標を掲げており、日本学生支援機構の調査では15年に20万人に達した。大阪では過去最多の1千万人を突破した訪日外国人客の急増を背景に、企業の採用意欲も高まっている。卒業を控えた留学生では全体の6割が日本での就職を希望しているが、就職率は3割台と低迷している。