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変わり種のバー盛況 趣味の世界広がる

2018年2月27日

 飲食店がひしめき合う大阪市北区に異彩を放つバーが次々と誕生している。プロ棋士養成機関「奨励会」の元会員が始めた「将棋バー」や水産大学出身の店主が熱帯魚を集めた「熱帯魚バー」など個性派ぞろい。来店客にアルコール類を提供するだけでなく、趣味の世界を広げるのにも一役買い、話題を集めている。

店内でお酒を楽しみながら将棋が指せる「将棋Bar〜ウォーズ」=大阪市北区
熱帯魚入りの水槽が並ぶ「近藤熱帯魚店」=大阪市北区

■プロも来店

 昨年11月、北区曽根崎にオープンした「将棋Bar〜ウォーズ」は元奨励会員の相沢翔さん(31)が来店客と将棋を指すバーだ。若者から年配者まで愛好家を集めている。

 史上最年少棋士藤井聡太六段(15)の最多連勝記録、羽生善治竜王(47)の「永世七冠」達成に沸く将棋界。腕試しに来店する人がいる一方、半数は初心者で「この店で将棋を覚えた人も」(相沢さん)。複数の客と多面指しをしながらドリンクを作る。対局後には感想戦も行う。

 壁には、プロ棋士らのサイン計30枚がずらり。相沢さんは15歳から17歳まで奨励会に所属。店には、当時しのぎを削った稲葉陽八段(29)や大石直嗣七段(28)、都成竜馬四段(28)らプロ棋士が顔を見せることもある。

 相沢さんは「将棋人口は増えているが道場は通いづらく、パソコンしか相手にしたことがない人もいる。初心者もリアルに指せる場所にしたい」と語る。

■癒やしの空間

 「熱帯魚はお好きですか。見るだけで癒やされますよね」。来店客の女性に語りかける近藤充さん(39)は、黒崎町のバー「近藤熱帯魚店」のオーナー。落ち着いた照明の店内には、グッピーやネオンテトラなど約50種の熱帯魚が入った水槽が並び、中にはサンゴや水草も。ミズクラゲが漂う水槽もある。

 近藤さんは子どもの頃から生き物好きで、水産大学を出てフィリピンの真珠養殖場に勤めた経験がある。帰国後は営業マンをしていたが、2011年にバーをオープンさせた。

 小さな水槽でも飼育できる初心者向けの魚を中心に展示しており一部の魚は販売も。飼育の相談に乗ることも多く、来店をきっかけに熱帯魚を飼い始めた人もいるという。近藤さんは「魚や水草の種類も紹介し、熱帯魚の魅力を発信し続けていきたい」と話した。

■「友達の家」

 「放課後に“友達の家”へ遊びに行くような感覚で楽しんでもらえたら」。こう語るのは太融寺町の駄菓子バー「A−55」の櫨山貴之オーナー(32)だ。

 店内には80年代から2000年代に流行したファミコンなど家庭用ゲームやマンガが所狭しと並び、約200種類の駄菓子やアイスが食べ放題。11年8月のオープン以来、懐かしさや居心地の良さが話題を呼び、現在は福岡、京都にも出店する人気店となった。

 店内での過ごし方は自由で80インチの大画面でゲームに熱中する人もいれば、飲み放題で酒を楽しむ人も。子ども時代の話題に花が咲くこともあり、同窓会や合コンの場所としても利用されている。櫨山さんは「『なんか今日は楽しかったなぁ』と思ってもらうのが狙い」と気軽に立ち寄れる店を目標にしている。