大阪ニュース

児童自らルール作り 箕面こどもの森学園

2018年4月17日

 校則の在り方が注目を集める中、小学生自身がルールを決め自分たちで考えて更新する取り組みを、大阪の教育機関「箕面こどもの森学園」(箕面市)が実践している。自身のコミュニティーに対して積極的に発言する姿勢を養い、自分たちで決めたからこそ守ろうとする自律性を育んでいる。

積極的に意見交換する力を育んできた子どもたち=箕面市

 認定NPO法人運営の同学園は、学習指導要領にとらわれない運営で法定の「学校」ではないが、学習計画から学園のルールまで子どもたちが主体的に決める仕組みを徹底。教育内容とともに、持続可能な社会づくりに役立つと、国連教育科学文化機関(ユネスコ)からユネスコスクールに認定されている。

■全員で「納得」

 同学園では、学校全体にかかわる案件は、週1回の全体集会で議案として出す。児童約50人と、一般の学校で教諭に当たる「スタッフ」10人弱が全員で意見交換し、必要に応じてルールを決めて解決する。

 一人の意見を巡り皆で議論。少数派の意見も無視せず、全員が納得できる答えが出るまでやりとりする。多数決では決めないため、時間がかかる際には翌週に持ち越し、結論が出なければルール化されない場合もある。

 児童から「ゲーム機で遊びたい」と意見が出たときは、大人も交えて議論が白熱。大人は「視力や成長期の脳によくない」と主張したが、児童の思いも強かった。意見をすり合わせた結果、月1回持ち込める日を設定することで合意した。

 3月に卒業した下間麻里さん(12)は「公立なら全部先生が考えてやらせるが、多くの意見を皆で話し合って一つの意見にしていくのは将来役立ちそう」と話していた。

■「思考停止」防げ

 決めっぱなしにしないのも重要。児童は毎学期、自分がルールを守れたかを振り返り、チェックする。守安あゆみ副代表理事は「自分たちで決めたからこそルールを守るようになり、安全や安心が保たれる」と分析する。

 ただ、困ったことも起きた。ルールを作り続けた結果、2016年度には100項目を超えるまでになった。児童らは盛り込まれている内容について、守らなければならない理由まで考えず、「ルールだから」と思考停止になりかけている面があった。

 そこで17年度には、内容の整理を担当する「ルール委員会」を常設。今は必要なかったり重複している内容を児童とスタッフで議論し、約50項目にまで減らした。

 守安副代表理事は「議論では、勝ち負けではなく、皆が納得できる道を探るようになっている。自分も話を聞いてもらえるから、自分と違う意見も我慢強く聞ける。取り組みが浸透していけば、全ての人が自分らしく生きていける社会になるのでは」と意義を説いている。