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入学から就職 一貫支援 留学生と企業橋渡し

2018年7月18日

 グローバル戦略の一環として、政府は2020年までに「留学生30万人計画」を掲げている。一方で、外国人留学生の国内での就職や定着は大きな課題になっており、日本で働き続ける「覚悟」が求められている。大阪府内の大学連合では、企業とインターンシップ(就業体験)を共同開発するなど両者のマッチングを試みており、担当者は「留学生の課題解決能力を評価してほしい」とアピールしている。

企業の担当者を対象に、留学生が応対した課題別のブース=大阪市北区の関西大梅田キャンパス

 海外進出を背景に、企業では留学生の採用意欲も高まっており、府内では国公私立大がタッグを組んで留学生支援に本腰を入れ始めた。関西大、大阪大、大阪府立大、大阪市立大の4大学を軸に産官学でつくる「ケアーズ・コンソーシアム(共同事業体)」では、日本の企業風土になじめなかったり、雇用のミスマッチや離職リスクを改善しようと、入学から就職活動、定着までを一貫して支援するキャリア教育プログラム「サクセス大阪」を昨年立ち上げた。

■課題に敏感

 6月中旬、ケアーズの主催で、企業と留学生のマッチングをテーマにしたシンポジウムが、大阪市北区の関西大梅田キャンパスであった。ケアーズでは、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて留学生の活躍を目指すプログラムを始めたばかりで、新たなビジネスの創出をテーマに個別課題を発表した。

 シンポでは、学生が中国や韓国、ベトナム、イタリアなど出身地別の10班に分かれ、貧困や環境汚染、雇用など10のテーマを巡る母国の課題を日本語で問題提起。

 中国人留学生が発表した「観光地のトイレ問題」では、衛生上の課題や子連れ、高齢の利用者への配慮が行き届いていない現状を報告し、ベトナムチームは「危険野菜同一価格問題」と銘打って、品質上問題のある野菜が市場に氾濫している、と警鐘を鳴らした。

 参加者は外国人を既に採用、または採用を検討している企業の担当者ら。広告代理店経営の男性は「自国の課題に敏感で、優秀な学生が多いと感じた。さらに発表をビジネスにつなげる工夫が必要だろう」と期待を寄せた。

■仕事体験を

 訪日外国人観光客の活況に伴い、中堅や中小企業も語学スキル、ビジネスマナーを備えた「高度外国人材」の雇用に関心を寄せている。ところが経済産業省の調査によると、卒業を控えた留学生では全体の6割が日本での就職を希望しているものの、就職率は3割台と低迷しているのが現状だ。

 今月8日には、大阪市内で「外国人留学生インターンシップフェア」と題した情報交換会を企画。自動車や金融、食品など大手を含む15社がブースを構え、留学生72人が業界研究も兼ねて参加した。

 ケアーズでは、インターンシップを企業側ではなく“大学発”にしようと共同開発を進めており、事務局に当たる関大国際部の担当者は「留学生が夏に帰国するという流れから、仕事を経験する流れに変えたい」としている。