大阪ニュース

愛しのアイリーン 安田顕と吉田恵輔監督に聞く

2018年9月21日

 42歳の日本人男性がフィリピン人女性を嫁にもらって繰り広げる重喜劇「愛しのアイリーン」(スターサンズ配給)が大阪ステーションシティシネマほかで上映されている。主演の安田顕(44)は「殴られた感じの衝撃を受ける作品」と言い、吉田恵輔監督(42)は「最愛の原作を最高の形で映画化した」と、それぞれやりきった感を話した。

「それなりに期待して見てもらって損はない」と話す安田顕(右)と吉田恵輔監督=大阪市内のホテル
安田顕とナッツ・シトイ(C)2018「愛しのアイリーン」フィルムパートナーズ

 「ザ・ワールド・イン・マイン」など異色の漫画家として知られる新井英樹の同名原作の映画化。「20年前に読んでその世界に引き込まれた。これまで映画を撮ってきて、この漫画の影響を受けていたのは間違いない。その意味で、今回の自分の中の熱量、美しさ、いら立ち、いとおしさなどの感情が一気に噴出したのは隠しようがない」と吉田監督。

 「40代の独身男である宍戸岩男は破滅的でどこか荒々しい。完成した試写を見て、マイク・タイソンから思い切り殴られたような感じで、何だこの衝撃は…とぼうぜんとした。原作は2メートルもある大きな男だったが、あなたが演じたら面白くなると言われ、それを信じてやった」と安田。

 田舎の農村で暮らす岩男は、独身で童貞。パチンコ店員をしながらもんもんと生きている。「世間から少しズレているというか、40歳を過ぎて女性に触れたことがない。しかし、そんな人は実際にいるかもしれず、そういう人たちに対してきちんと責任を持って演じなければと思った」と安田は真剣な表情。

 岩男はシングルマザーの女性(河合青葉)に振られてやけくそでフィリピンのお見合いツアーに参加。貧乏育ちだが健康的な18歳のアイリーン(ナッツ・シトイ)と300万円の金で契約結婚する。しかし日本に帰ると外国人嫌いの母親・ツル(木野花)が怒って、家族の関係が冷ややかになる。「そこから家族戦争になるが、安田さんはシリアスな芝居と同時に笑いのセンスも持っており、面白く不思議な展開になる」と吉田監督。

 オーディションでヒロイン役を射止めたナッツがかわいく、義母になる木野が意地悪な年寄りを好演。「2人の女優のぶつかり合いと、安田さんの死んだような目が対照的で、それぞれの片思いのすれ違いがラストシーンに融合していく。最愛の原作が、最高の形で映画になった」と吉田監督は胸を張る。ほかに伊勢谷友介、福士誠治、フィリピンの女優、ディオンヌ・モンサントらが共演している。