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アルコール依存症テーマ 市民グループが映画上映

2018年11月11日

 アルコール依存症や家族の再生をテーマにした映画「カノン」(2016年公開)の無料上映会が12月2日、茨木市の立命館いばらきフューチャープラザで開かれる。親がアルコール依存症の家庭で育った「アダルトチルドレン」の斉藤うづめさん=大阪市=を中心とした市民グループが企画し、「アルコールで悲しい思いをする家族が少しでもなくなってほしい」と願いを込める。

「多くの人に見てほしい」と呼び掛ける実行委会長の斉藤さん(左)と副会長の徳光薫さん=大阪市内

 斉藤さんは14歳の時に、アルコール依存症を患う父親との生き別れを経験。25年後、アルコール依存症の施設で再会した父親は、認知症になっていた。

 「私のことが分からないのをいいことに父を罵倒し続けた。でも翌日の面会で『ごめんね、私のこと分からないだろうけど』って言ったら、父が『うづめだろ』って。その瞬間に多くのわだかまりが無くなった」。

 昨年11月に箕面市であった上映会で映画「カノン」と出合い、「これは私の人生とそっくり、リンクしている」と共感。すぐさま関係者の了解を取り、今年2月に30人限定の上映会を自主開催した。

 今回は収容約千人の会場に規模を拡大する。ネックだった運営資金は市の補助金を申請、インターネットを使ったクラウドファンディングで広く募るなど地道にクリア。斉藤さんと賛同する友人らでつくる上映実行委に、同映画の雑賀俊朗監督が「応援したいから」と加わったことも大きな力になった。

 当日は上映後に雑賀監督と映画の企画、制作を務めたサーフ・エンターテインメントの浜口典子代表、アルコール依存治療に長年携わってきた医師の平野健二さんをゲストに迎え対談も実施する。

 斉藤さんは「アルコール依存症になるかもしれない人やその家族の予防がしたかった。生きづらさを抱えるアダルトチルドレンの人たちにも何かヒントのようなものをつかんでもらえればうれしい」と話していた。

ミニクリップ

 映画「カノン」 アルコール性認知症を患う母(鈴木保奈美)と、三姉妹(比嘉愛未、ミムラ、佐々木希)の家族再生の物語。2016年公開で、北京国際映画祭天壇賞入選。上映会は12月2日正午から(午前11時開場)。入場無料。問い合わせは電話050(3748)7333、カノン上映会実行委員会事務局。