大阪ニュース

中小・ベンチャー同士で機運 連携で生産性向上を

2018年12月11日

 人手不足が深刻な中、中小・ベンチャー企業同士で業務機能を補完し合う動きがみられる。さまざまな作業がインターネット上で円滑にできるようになったり、製造業では“顔の見える関係”が築かれたりと、生産性向上や受注体制の環境整備が促されている。

ブラッシュアップ(左)からチャットワークに通知されるイメージ
中小零細企業の「横請けネットワーク」と大手中堅企業との商談会=大阪市中央区

 業務効率化のツールが次々と発表されているネット上のサービスでは、提携の機運が高まっている。

■相乗効果図る

 仕事上のコミュニケーションを、円滑にできるようにしたチャットツール運営「チャットワーク」(吹田市)と、画像や動画といった制作物のやりとりをネット上で効率的にできるツール運営「ブラッシュアップ」(大阪市北区)は6月、連携を発表した。

 チャットワークのツールは20万社以上が導入。メールよりも対話や仕事管理がしやすいように工夫し、同じ時間に処理できる作業量が1・5倍になる利用企業なども生まれた。

 ブラッシュアップのツールは、制作物をやりとりする際、画像や動画に直接修正点を書き込めるのが特長。指示の誤解を防いだり、作業工程の削減につながる。

 連携によって、ブラッシュアップでのやりとりが、チャットワークで通知されるようになった。利用者は、別々のツールを継ぎ目なく使うことができ、一層の業務効率化を促せるようになった形だ。

 両社ともそれぞれ連携の輪を広げており、ブラッシュアップの水谷好孝社長は「それぞれの強みを生かして、企業の生産性を上げていきたい」と意欲を示している。

■熱帯びる商談会

 製造業では、一つの発注に複数の中小零細企業で対応するネットワーク構築の取り組みが進む。元々、そうしたネットワークがあったものの、後継者や人手不足で廃業するケースもあり、つながりを再構築する必要があった。

 大阪商工会議所は、機械・金属加工の中小零細企業を対象にした「横請けネットワーク」づくりを、2017年度から本格化。交流会を大阪市内各地で7回展開してきた。各社は自社の技術や設備、連携を希望する加工内容を示しながら新たなつながりを開拓。本年度は、新規受注の拡大に向け、大手・中堅企業との商談会も開き、会場は熱を帯びた。

 3年目となる来年度は、生産現場を持たない研究機関などと各ネットワークが連携し、新製品開発に臨めるような仕掛けを用意する方針。中小企業振興部の近藤博宣部長は「町工場同士のネットワークを拡大、深掘りしていきたい」と展望を示している。