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LGBTの家族テーマに 港区で写真展開催

2018年12月16日

 米国で暮らす性的少数者(LGBT)の当事者のさまざまな家族の姿を写した写真展が、大阪市港区の市中央体育館で開かれた。同性愛者のゲイやレズビアンのカップルが、赤ん坊や子どもと過ごす幸せな日々を写した作品22点を展示。撮影した写真家の清水尚さん(58)=東京都=は「子育てをしたいと思っているLGBTを勇気付けたい」と話している。

会場に展示された1枚で赤ん坊にキスをするゲイのカップルの写真
米国のLGBTの家族を撮影した作品が展示された会場=大阪市港区の市中央体育館

 写真展は、体育館の指定管理を任されているスポーツパーク八幡屋活性化グループが主催した。多くの人の目に触れるようにと、同施設の通路を展示会場にした。

■ケースは多様

 清水さんは2007年〜09年ごろに、米国西海岸のサンフランシスコなどにあるLGBTの当事者団体に企画を説明し、了解を得た約30組の家族を撮影。10年に講談社から出版された写真集『All we need is Love』に収められた写真を中心に展示した。

 清水さんは異性愛者で2人の子どもの父親でもある。LGBTの家族をテーマに撮ろうと思ったのは、清水さんを支えてくれた仕事仲間がLGBTだったことなどが背景にある。撮影した家族の子どもは、自分たちの子どもの場合や里子など、さまざまなケースがあったという。

 展示された作品は、ゲイの小児科医とインテリアデザイナーのカップルが当時0歳の赤ん坊を抱いて、いとおしそうに見つめる写真のほか、ゲイの音楽家と医療関係者のカップルが、優しいまなざしで子どもを見つめる写真など。

 また、レズビアンのカップルが、片方の当事者が生んだあどけなさが残る長男の頬にキスをしている様子など、日常にある幸せを写した。

■抱える思い

 写真展を主催したグループの構成団体の一つである、フィットネス業オージースポーツ(大阪市中央区)の社員で、展示を担当した伊東カナトさん(38)は「性別や人種に関係なく、みんなが好きな人と暮らすことができ、家族を持てる世の中になってほしい」と話す。自身は女性として生まれたが、性自認は男性のトランスジェンダーだ。

 会場を訪れたレズビアンのカップルは「家族になっている感じが写真から伝わってきて良かった」と、笑顔を見せた。清水さんによると、日本のLGBTの当事者は、差別を恐れて公表できないなど苦しい思いを抱えているとして、「理解が進んでほしい」と願っている。

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 同市港区は毎月第4火曜日夜に区民センターで、当事者などの集まり「レインボーカフェ3710(みなと)」を開いている。問い合わせは電話06(6576)9787、同区役所協働まちづくり支援課。