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| 施設に出向き、医師らとともに活動するファルメディコの薬剤師(左) |
薬局の薬剤師が在宅、介護施設に出向き、患者や高齢者らに直接服薬指導などをする新たな薬局機能を提唱し、計約1300人に実践している。地域医療の充実に貢献するとともに、人材本位の薬剤師像を定着させていく構えだ。
母の仕事を継ぐ形で薬局経営に乗り出した狭間研至社長(40)は、大阪大医学部出身の外科医でもある異色の経歴の持ち主。患者に長い待ち時間や「敷居の高さ」を感じさせてしまう医師としての体験などから、薬剤師の可能性に気付いた。
かつて、患者の声に耳を傾け、店先で調剤する母の姿を見て育った狭間社長。信頼して気軽に健康相談ができる「かかりつけ薬剤師」の存在を思い描く一方、介護が必要な高齢者の長期療養の場は「医療機関から在宅、介護現場へと変化しつつある」と分析。医療機関の処方せんで調剤し、新規開拓もしない今の薬局のあり方にも疑問を抱いた。
課題解決に向け、調剤業務に特化した「単機能型薬局」から、薬剤師が外に飛び出す「多機能型薬局」へと経営を転換させた。
大阪府下で八店舗の調剤薬局を経営。三十人弱の薬剤師らが、府内十四施設と個人宅百軒の支援にあたる。
出向いた先では、医師の処方せんに基づき、薬を飲み込めない人や胃に穴が開いている人など患者の多様な症状に合わせて調剤。分かりやすい仕分けで、入居施設の看護師らの負担を軽減するとともに、薬物治療のレベル向上に貢献するという。
また、漢方やサプリメントなどの補完医療の支援も重視。需要があるにもかかわらず十分な指導体制がない現状を踏まえ、薬の専門家の薬剤師が、ほかの薬との飲み合わせなど、適切な摂取を提案する。
訪問活動は「薬剤師のやりがいにもつながる」と狭間社長。人と向き合いながら対話し、感謝の言葉も受ける現場では「自分の存在が認められる」ためだ。昇給やボーナスの査定の材料にもなる。
また、女性の場合は、産休や育児で休職しても、それまで磨いてきた能力があれば復職しやすいという。
昨年度の年商は、二〇〇四年創業時の約二倍で八億三千万円と順調に推移。二〇一二年度の上場を目指す。「地域医療の中で薬剤師が活躍しているのを世間に分かってほしい」というのが狙いの一つだ。
病院の近隣で経営を成り立たせる立地依存型の薬局を、人材に依拠した仕事へと変ぼうさせる挑戦は続く。










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