関西あの人この人

食材の力で健康に

薬膳料亭「追立」グループ代表薬膳料理研究家
追立久夫さん
2016年6月8日
「薬膳は特殊な漢方薬を使った料理ではありません」と話す追立さん

 「料理人は人の命をお預かりする仕事。誇りを持っておかないと、あかん」

 故郷、鹿児島の高校を卒業後、台湾、香港に渡り北京料理、広東料理を修業。同時に薬膳の研究を始め薬膳料理のキャリアは48年。

 「薬膳料理」と言えば薬臭いイメージが浮かぶが、「特殊な漢方薬を使った料理ではありません」と間違った先入観を指摘する。

 薬膳料理は、食材が本来持っている性質や味を上手に引き出すことが大切で、「食材の力をもらいながら健康な体を作る。私は日本人に合った薬膳料理を提供しています」と力を込める。

 25歳の若さで老舗の中国料理店の料理長に就任。その後は、大阪国際グルメフェア金賞(1988年)、国際食博覧会「中華部門」金賞郵政大臣賞(91年)などを受賞し、人気番組だった「料理の鉄人」にも出演した。

 一方で「最近の料理人は素材の味、料理の仕方を知らない」「生きるための料理である薬膳料理を知ってもらおう」と、薬膳料理研究の成果を「追立久夫の薬膳と健康料理」(全5巻 京都書院)「45歳からの薬膳」(パッチワーク通信社)などの本にまとめた。「昆布やかつお節でだしをとるように、野菜でもダシがとれるんです」と、自ら料理する際は、旬の野菜の味を生かす献立を心掛けている。

 好きな言葉は東洋医学の食文化である「五味調和(ごみちょうわ)」。“お客さまが結果”の信条を貫く根っからの料理人だ。