関西あの人この人

ホームレス問題解決へ

NPO法人「Homedoor」代表
川口 加奈さん
2017年5月10日
「おっちゃんたちの得意な技能を生かして就労化に結びつけたい」と話す川口さん

 「ホームレス状態の人たちへの支援事業を通して、多くの事業家の皆さまにホームレス問題の実態を知ってもらいたいですね」。

 川口さんはホームレス状態の人たちへの就労支援の一環にシェアサイクル「HUBchari(ハブチャリ)」事業を取り入れた。「おっちゃんたちの得意な自転車に関わる事業(シェアサイクル)を実施すれば就労だけでなく、違法駐輪問題の解決にも寄与できる。これなら、おっちゃんたちも支援される側だけではなく、問題を解決する側に回ることもできる!」。川口さんとホームレス問題の出会いは中学2年、14歳までさかのぼる。

 「どうして豊かな日本でホームレスになるのか。がんばらなかったらホームレスになるのか」。川口さんは「百聞は一見にしかず」だと、大阪市西成区にあるあいりん地区(通称・釜ケ崎)での炊き出しに参加することにした。

 「ホームレスに近づいちゃダメ」「自業自得だから放っておきなさい」と言われて育ってきた。しかし、一つのおにぎりに「ありがとう」と温かい言葉をくれたおっちゃん。彼らの生の声を聞くうちに偏見があることを知った。

 2010年4月、「ホームレス状態を生み出さない日本にしたい」と任意団体を立ち上げた。団体名は、ホームレスをつくらない“防止柵”となれるように、そして、「誰もがただいまと帰ることができるホーム(=居場所)としての入り口に」という願いを込め、「Homedoor」と名付けた。

 ハブチャリ事業は開設から延べ200人に仕事を提供し、卒業生の2人に1人が、就職していった。川口さんは「就労の次は“住まい”です。これを事業化し、少しずつホームレス問題を解決していきたい。人生のある局面で転落しても何度でもやり直しのできる、社会を目指したい」と目を輝かせていた。