歩く

 人は言った。「歩くことは生きる喜び」。歩くことでさまざまな地域の魅力を肌で感じ、吹き抜ける風には季節の移ろいも実感することができるウオーキング。健康志向の高まりに無関心を決め込んできたアラフォー記者が、関西のあちらこちらを訪ねて生きる力を取り戻す。

大阪城公園歴史ウオーク

2018年5月17日
新しい観光名所として誕生したミライザ大阪城
紀州屋敷跡で記念撮影。池の水面にきれいに城が浮かび上がる

 大阪人なら一度は訪ねたことがある大阪城公園(大阪市中央区)。広大な公園に緑青色の天守閣を思い浮かべるだろうが、それだけではもったいない。草花は季節ごとに表情を変え、観光客向けの新たな商業施設も登場。園内は日々進化している。大阪府レクリエーション協会のウオークイベント「歩育」に参加し、自然や遺跡、新名所、公園周辺の魅力を再発見した。

 JR森ノ宮駅を出発し、最初の立ち寄りスポットは「市民の森」。太平洋戦争が終わるまで大阪陸軍造兵廠(しょう)の工場が広がっていた場所だ。

 緑豊かな木々の下で、リーダーの西田茂美さん(65)が「空襲で大きな被害を受けたが、戦後に公園整地が進み昭和44(1969)年に完了した」と説明。ウオーキング開始直前に雨が上がったばかりということもあり、周囲の空気はマイナスイオンをたっぷり含む。シャガやハナミズキの白い花が鮮やかに映る。

■古代のロマン

 堀の外側を反時計回りに進み、いったん公園を出る。地下鉄谷町4丁目駅すぐの大阪歴史博物館は、地下に1300年以上前の古代高床式家屋の柱跡を保存していて、1階の透明な床から見下ろすように見学できる。

 さらに南側には、7世紀半ばの大化の改新の直後に遷都した「難波宮(なにわのみや)」跡。今に残る“古代のロマン”も、発見されたのは1961年とほんの半世紀前。おおさか歩育の会幹事長の畑中一一さん(81)が復元された大極殿の前に立ち、「発掘調査に生涯をかけた人々の苦労がなければ、発見されなかったことを忘れてはならない」と強調した。

■「ミライザ」大にぎわい

 再び園内に戻り、大手門、桜門をくぐって天守閣前にたどり着いた。「旧陸軍第4師団司令部庁舎」を改装して昨年10月にオープンした商業施設「ミライザ大阪城」は、観光客で大にぎわい。ロマネスク様式の重厚な造りが以前に増して輝いて見える。

 天守閣をバックにした記念撮影は、紀州屋敷跡で。池の水面に城が浮かび上がる絶景の写真スポットでもあり、参加者の笑顔が広がった。

 ベトナムから留学しているグエン・タインホンさん(32)は「大阪城は美しいし、歴史を理解することもできた」と満喫。前年度の歩育は皆勤賞だった村上富美江さん(76)も「大阪城公園は毎年来ているが、その時々で違う景色が楽しめる」と喜んでいた。

 ◆コース JR森ノ宮駅−市民の森−ジョーテラスオオサカ−旧陸軍造兵廠跡碑−大阪歴史博物館−難波宮跡−大阪城天守閣−ミライザ大阪城−紀州屋敷跡−においの森−JR森ノ宮(全長約8キロ)


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