歩く

 人は言った。「歩くことは生きる喜び」。歩くことでさまざまな地域の魅力を肌で感じ、吹き抜ける風には季節の移ろいも実感することができるウオーキング。健康志向の高まりに無関心を決め込んできたアラフォー記者が、関西のあちらこちらを訪ねて生きる力を取り戻す。

百舌鳥古墳3陵巡り

2018年6月21日
いたすけ古墳の周りを散策する参加者ら。雨にも負けず、朗らかにウオーキング
仁徳天皇陵の拝所。ボランティアガイドが観光客を丁寧に出迎える

 世界文化遺産登録の期待が高まる大阪府の「百舌(もず)鳥・古市(ふるいち)古墳群」。堺市の百舌鳥古墳群では人気の観光スポットにボランティアガイドが常駐、周辺の街並みも美しく人気の散策コースになっている。大阪府レクリエーション協会のウオークイベント「歩育」に参加し、世界3大墳墓の一つに数えられる同市の仁徳天皇陵(大山(だいせん)古墳)を訪ねた。

 百舌鳥古墳群には、仁徳天皇陵など4世紀末〜6世紀前半に建造された古墳が、かつて100基以上あった。現在は44基が現存し、世界文化遺産登録を目指し“オール大阪”の取り組みが進んでいる。

■登録「応援して」

 JR堺市駅を出発し、まず向かったのは古墳群の北端に位置する反正天皇陵。近づくにつれ大きく映る緑はまさに都会の“森”。立ち入ることはできないが、正面の鳥居や社に向かって立つだけで神聖さが伝わる。

 「反正天皇は第18代天皇で仁徳天皇の第三皇子」。すらすらと解説するのは、リーダーの池上和夫さん(69)。小雨がちらつく中、「雨も自然。自然を楽しみながら、世界遺産登録を応援しましょう」と丁寧な語り口でグループの雰囲気を和ましてくれる。

■世界に誇るおもてなし

 堺市役所21階の展望ロビーは入場無料で、パノラマの眺望が人気の観光スポットになっている。教科書に登場するような鍵穴形とはいかないが、南側にはこれから向かう仁徳天皇陵が見える。

 地上での楽しいレクリエーションで気持ちをリフレッシュした後、ついに大墳墓と対面。小高い山のような「甲子園球場12個分」の迫力を間近に体感しながら「全周2・8キロ」の周遊路を歩くのは気持ちがいい。拝所には観光客に説明するボランティアガイドの姿があちこちに。気の行き届いた「おもてなし」も世界に誇る日本の文化だろう。

 この後、大山公園を抜けて履中天皇陵へ向かうあたりから天候が悪化。滝のような雨に髪もびしょびしょ。もはや「えらいこっちゃ」な状況だが、参加者の皆さんと顔を見合わせれば、不思議と笑いがこみ上げる。

 歩育を愛好している江本光史さん(72)も「大雪ですごく寒かった日もあったし、天候はいろいろ。興味を引いたところはまた自分でゆっくり訪ねるといいよ」と笑顔。梅雨が明ければ、今度は家族で訪ねてみよう。

 ◆コース JR堺市駅−反正天皇陵−堺市役所(展望ロビー)−竹内街道−仁徳天皇陵−大仙公園−履中天皇陵−いたすけ古墳−JR百舌鳥駅(全長約9キロ)