連載・特集

大阪あそ歩 〜街の達人たち〜

大阪三橋・鶴見橋ディープツアー

鶴見橋
中村敦一さん
2010年4月15日

天神橋・心斎橋と並び称された商店街

テレビ局の取材を受けながら紙芝居方式でガイドする中村さん(右端)
平日でも満員御礼になるほど人気がある鈴成座の説明を聞く参加者

 市民と来訪者がいっしょになってまち歩きを楽しむ「大阪あそ歩'10春」が10日、スタートした。大阪市、大阪商工会議所、大阪観光コンベンション協会などが設立した「大阪コミュニティ・ツーリズム推進連絡協議会」が事務局として準備を進め、昨秋の「大阪あそ歩'09秋」の68コースから、105コースまで拡充。日本最大のまち歩き企画の第1弾として、大阪市西成区を舞台にした「大阪三橋・鶴見橋ディープツアー」を紹介する。

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 スタートは南海電鉄高野線「津守駅」。普段は会社員だが大阪あそ歩のほかのコースも担当している中村敦一さんがガイドを務め、サポーターは、コース近辺で育った塚本貴子さん。今回はテレビ局の取材も入っている。

 コースのメーンは下町の良さが色濃く残る鶴見橋商店街だ。一時は4千人が働いていたという大日本紡績津守工場の通勤路に商店が立ち並んだが、工場が閉鎖され、跡地は公園と高校に。三宝線の愛称で親しまれた市電の廃止もあり、天神橋、心斎橋とともに三橋と呼ばれた鶴見橋商店街も人の流れが緩やかになった。かつてのにぎわいには遠いが、今回案内してもらった店はいずれも元気で面白い。

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 簡易宿泊施設の「鶴見橋ダウンタウンホステル」はキッチン、シャワー、トイレを共用にしてコストを抑え、個室が15室。安くてコミュニケーションが深まると利用者が増加しており、「今日も利用者同士で出掛けている」という。

 ごぼ天、たこ天が名物の「大松かまぼこ」は全国水産食べもの展で農林水産大臣賞を受賞した名店。近隣ではたまねぎ入りのミートボールの評判が高い。韓国食材の「西原食品店」では、辛さよりもうま味とコクが特徴のキムチが人気。愛媛県から定期的に購入するお客さんもいるという。

 閉鎖の危機から復活したのは商店街近くにある大衆演劇場の「鈴成座」。商店街の店で前売りチケットが販売されるなど地元に愛され、平日も満員御礼が出る人気を獲得した。

 大阪市内から夫婦で参加した50代の夫の第一声は「おいしかった」。40代の妻は「まち自体も良かったけど、(試食が)アクセントになった」と目も舌も満足した様子だった。

 ○…中村さんのガイドはスケッチブックを使った紙芝居方式。資料や解説を頭上で開いて説明してくれ、スポットとなる店には通いつめる熱心さだ。塚本さんはあちらこちらで声を掛けられ、地元の人に大阪あそ歩を説明する逆ガイドも。下町らしく地元に溶け込んだ名物コースになりそうだ。