連載・特集

大阪あそ歩 〜街の達人たち〜

昭和感じる“無国籍シティ”

2010年4月29日

中崎町

コースには特殊メーキャップの実習の見学も盛り込まれた
大阪韓国文化院では韓国の伝統舞踊を鑑賞した一行

 梅田にほど近い場所にありながら昔ながらの家並みなどが残り、どこか昭和の雰囲気を感じさせる北区の中崎町かいわい。最近では民家を改装したおしゃれな店が増えるなど、若者にも人気だ。今回は「無国籍シティ・中崎町散策」と題したコースに参加した。

 案内役を務めるのは昭和50年代の中崎町で育ったという、オフィスザイレガシー代表で写真映像デザイナー兼アートプロデューサーの国吉哲久さん(43)。スタート地点の大阪市営地下鉄谷町線「中崎町駅」に着くと、すでに20人近い参加者の方が集まっていたが、多くは女性の方。中崎町のコースは4回目の実施というが「いつも8割が女性なんです」(国吉さん)とのこと。

 早速、歩き始めると最初に到着したのが大阪韓国文化院。韓国の伝統文化から最新の韓流情報まで、韓国文化の情報発信拠点だ。コースの一行を出迎えてくれたのは、韓国伝統舞踊講座の皆さん。伝統衣装に身を包み舞踊を披露していただき、中崎町に居ながらにして韓国を訪れた気分に浸ることができた。

 続いて訪れたのが老舗の製箱会社、MAEDA CRAFT(前田製箱)だ。天然木などを使った店舗什器(じゅうき)の製造販売などを行っている。また同社はThe Coca−Cola Company(USA)とライセンス契約を結んでおり、併設された直営ショップにはコカ・コーラ関連の雑貨アイテムが所狭しと並び、中崎町でさながらアメリカを体感した。

 この後、中崎町名物ともいえる迷路のような昭和を感じさせる路地裏などを通りながら、長屋を改装してフランスで買い付けた雑貨などを扱う店や、ベトナム料理などを提供する町家風のカフェなどを巡った。

 またレトロな門が特徴の国吉さんの母校でもある旧済美小前では、国吉さんが小学生時代の思い出を語り、「職員室の冷蔵庫にあったフルーツ牛乳が飲みたかった」と当時を振り返り、参加者の笑いを誘った。

 学校といえば近辺には多くの専門学校がある。今回はECCアーティスト専門学校で特殊メーキャップの実習の見学や、ECC国際外語専門学校では、キャビンアテンダントを目指す生徒さんらが機内サービスの実習に使う、ビジネスクラスのシートの体験なども盛り込まれた。

 中崎町のコースは2回目の参加という北区の主婦、山崎啓子さん(66)は、「中崎町にはよく買い物にくるが、古い家を若い人がカフェにしていたりしていい所」と話していた。

 ○…中崎町は何度となく訪れている町。それでも国吉さんのガイドでまち歩きに出発すると、思わず「へえー」と驚きの声を上げてしまうことがあった。知っているつもりの街の魅力をあらためて知るという、まち歩きの良さをまさに実感した。