大阪発 羅針盤

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関西経済界 参院選に厳しい目

2016年5月23日

消費増税 行方を注視 施策ばらまき警戒も

消費税率引き上げの行方を注視する(左上から時計回りに)関西経済同友会、関西経済連合会、関西広域連合の各メンバー(コラージュ)

 来年4月の消費税10%への引き上げを先送りするかどうかが政治の焦点になる中、関西経済連合会は予定通りの引き上げを国に求める緊急要望を取りまとめた。将来世代への負担回避を眼目としており、関西経済同友会も「選挙のための関心を引く施策がばらまかれないように」と指摘する。経済界は夏の参院選に厳しい目を向けている。

 同友会が16日の2016年度通常総会で新設を決めた提言委員会の一つは「次世代志向の政策を考える」委員会だ。高齢者に手厚い制度をどう変えていくかがテーマになる。高齢者の意見が過剰に政治に反映されやすい状態を指す「シルバーデモクラシー」を問題視してのことだ。

■尖った提言

 「同友会の理念に立ち返り、尖(とが)った提言を出していく」。代表幹事の蔭山秀一・三井住友銀行副会長が総会後の記者会見で語った抱負である。参院選の政策論争に注文したいことを尋ねると、「次世代に引き継ぐ観点から今やらなければいけないことを先延ばししてほしくない」と答えた。

 “先延ばし”に対する警戒は、関経連の緊急要望が顕著だ。

 25年に団塊世代が75歳以上になる超高齢化社会を踏まえ、経済財政委員長の広富靖以・共英製鋼副社長は18日の記者発表で「社会保障財源の消費税率引き上げを実行しなければ将来世代に大きな負担になる」と指摘。消費税率引き上げが国民に負担を強いることを承知の上で「誰も苦い薬を飲みたくないが、われわれ責任ある立場の者は一歩踏みだしたい」と緊急要望の思いを明かした。

■本質の議論を

 国会で焦点になった消費税率引き上げ先送り論をめぐって、関西の経済界が態度を鮮明にする一方、関西広域連合は19日の委員会で統一見解をまとめなかった。構成する自治体首長の考えが「いろいろある」(連合長の井戸敏三・兵庫県知事)ためだが、この点について、山田啓二・京都府知事はこう語った。

 「(関西広域連合としては)引き上げに固執するのではなく、地方の福祉財源をどうするかの本質の議論を抜きにされるのが良くない」。つまり、先送りする場合は財源確保策の提示が欠かせないという主張であり、経済界の指摘にも通じる。

 「選挙のための関心を引く施策がばらまかれないようにしたい。そのことを厳しく指摘していきたい」。同友会の蔭山氏が会見で強調した点である。