大阪発 羅針盤

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平井鳥取県知事の関西戦略

2016年5月28日

7月に誘客イベント

山陰海岸ジオパークの浦富海岸で、クリアカヌーを楽しむ平井知事(左艇前)と妻りえさん(右艇前)=2013年8月、鳥取県岩美町(県提供)

 鳥取県関西本部と週刊大阪日日新聞社は7月3日、鶴見区の三井アウトレットパーク大阪鶴見で「県誘客イベント」を開催する。鳥取県はここのところ大阪での情報発信を強めており、あの手この手で売り込む。その先頭に立つのが平井伸治知事。どんな戦略があるのか。

 「スタバはないが、日本一のスナバ(砂場)がある」の駄じゃれで一躍、全国区となった平井知事。官僚出身とは思えぬしなやかさで就任後、日本一小さな県を導いている。

 最近はテレビ出演が目立つ。かつて公式行事で朝の散歩中に警察官から職務質問を受けたが、顔も売れた。国政転出も含め、勇退後の進路をいぶかる声もあるが、本人は否定。知事に全力投球のようだ。

■自然と共に

 平井知事は毎年テーマを持って県政運営に当たる。全国初の手話言語条例を制定した2013年は、障がい者施策に血を通わせた。漫画を題材にした博覧会ではやゆする声もあったが、知事の目は人気コンテンツとして海外を向いていた。

 その知事が今年、テーマに設定したのが、エコツーリズムとシーカヤックやトレッキングなどの「体験型メニュー」。豊かな自然を生かしたレジャー・スポーツで、鳥取県の新しい楽しみ方を提案することだ。

 昨年、県中部で海外からも参加があったウオーキングイベントが開かれるなど“素地”もあった。県西部での「シートゥーサミット」にはケネディ駐日大使が鳥取入りし、海や山など環境の素晴らしさを絶賛している。

 「体験」することで、鳥取県の魅力をさらに実感できる。そのことを関西の人たちに知ってもらいたいというのが7月のイベントの最大の狙いだ。

 山陰海岸ジオパークの海岸線は絶景で、平井知事もクリアカヌーを体験した。今年日本遺産に認定された大山(だいせん)でのサイクリングや散策は、自然との一体感を味わえる。

 「単に観光地巡りではなく、体験し、宿泊し、おいしいものを食べて、いい思い出をつくってもらいたい」(伊藤友昭本部長)。そのことがリピーターを増やすと考える。

■発信を強化

 イベントの開催に当たり、関西本部は県内市町村や観光団体に参加を呼び掛けた。倉吉市は関金地区のワサビ田や旧国鉄倉吉線跡のトレッキングをアピールする考えで、ユニークなコース設定が注目を集めそうだ。

 鳥取県が地元マスコミとタッグを組み、体験型観光に特化したイベントを大阪で開催するのは初めて。昨年秋の「蟹(かに)取県イベント」に続くものだが、今回はそれを上回る規模となりそう。

 会場には特設ブースを設け、各観光地のPRやワークショップを展開。ステージでは楽しい催しが繰り広げられ、平井知事が鳥取の魅力を熱く語る。

 鳥取自動車道(無料)の全線開通で、大阪と鳥取市は2時間半で結ばれた。関西国際空港を利用する訪日外国人旅行客(インバウンド)は増加し続けている。「集客の起点は関西」と平井知事。

 関西での取り組み強化は、県活性化への道でもある。