大阪発 羅針盤

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消費低迷、強まる減速感 大阪の景気動向

2016年6月4日

雇用など明るい材料も

 大阪の景気が2カ月連続で悪化していることが3日、民間信用調査会社の調べで分かった。5月の景気動向指数(景気DI)は40.1で、前月比マイナス0.4。全国(41.8)を58カ月連続で下回っている。先行きはどうなのか−。

 帝国データバンクが同日発表した。大阪府は2059社を対象にインターネット調査し、985社から回答を得た。回答率は47・8%。

 景気DIは企業の景気判断を総合した指標。50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味する。

 それによると、大阪は2カ月連続の悪化となった。全国との格差は1・7ポイント。全国順位は29位(前月33位、前年同月30位)。近畿(2府4県)も2カ月連続の悪化=表参照。

■マインド悪化

 調査では、燃費不正問題に伴う自動車業界の動向や熊本地震の影響を懸念する声が多かった。また、「単価の安い商品しか売れない」(卸売り)など低迷する個人消費を心配する声も多い。

 大阪支社は「今後の日米欧の政策金利や為替動向、中国経済の減速などが大阪経済に与える影響を注視したい」としている。

 「個人消費、設備投資に弱さが見られ、企業、個人のマインドが悪化する中、減速感を強めている」と見るのは大阪商工会議所。株安、円高が続いてきたことも要因として挙げる。

 大阪は輸出を中心にスマートフォン向けが良かったが、円高で若干ブレーキがかかっているという。

 四半期ごとに会員を対象に調査している大阪府中小企業家同友会も「景気は良くないとの声を聞く」という。

 業界別DIを見ると、5月は10業界中、4業界で悪化した。「運輸・倉庫」が大幅悪化となったほか、「不動産」が4カ月連続の悪化。「製造」も悪化だ。一方、「小売り」は改善した。

 大阪市内の総合不動産デベロッパーの社長(37)は「不動産価格は高値で推移しており、取引のボリュームとしては低調だ」と現状を説明した。

■「徐々に回復」

 先行きはどうなのか。

 調査の先行き見通しDIは、3カ月後43・2(前月43・6)、6カ月後45・5(45・8)、1年後45・7(45・6)と、3、6カ月後で悪化する一方、1年後には改善。

 業界別では「建設」「卸売り」が悪化。規模別では中小企業が1年後は横ばいか、改善となった。

 この点について、「公共工事が伸びていない話は関西地区で多い」(大阪支社)、「中小で設備投資が動き始めており、これから表面化してくるのではないか」(同社長)との指摘がある。

 関西は雇用情勢も良く、インバウンドのような明るい材料もある。大阪商議所は「円高もいったん落ち着き、“踊り場”に来ている。先は見にくいが、(景気は)徐々に回復していくのでは」とみている。

 その一方、「全般的に今後も良くないだろう」(同同友会)との見方もあり、不透明感が漂っている。