大阪発 羅針盤

 地域の取り組みや課題、人々の動きや思いを通して大阪の明日、日本の未来を展望します。

大阪に鳥取県アンテナショップを

2016年6月8日

”まるごと”売り込む  関西との近さ利点に

7月の体験型観光イベントで紹介する(上から時計回りに)鳥取砂丘パラグライダー、旧国鉄倉吉線跡地トレッキング、浦富海岸クリアカヌーと平井知事

 関西広域連合に加盟する鳥取県が大阪での情報発信を強めている。7月3日には地元マスコミとタッグを組み、鶴見区で体験型観光の誘客イベントを開催する。単に観光PRにとどまらず、「鳥取の食」など“まるごと”鳥取県を売り込む考えだ。この新しい発信スタイルを常態化するためにも、大阪市内への県アンテナショップの開設を提案したい。

 イベントは県関西本部と週刊大阪日日新聞社が企画。昨年秋の「蟹(かに)取県イベント」に続く第2弾で、夏休み前にシーカヤックやトレッキングなど鳥取の豊かな自然を生かした体験型メニューをアピールする。

 今年は県内の市町村や観光団体も加わり、厚みのある催事に。会場の三井アウトレットパーク大阪鶴見では平井伸治知事も参加してのステージイベントが繰り広げられ、旬の倉吉スイカが試食できる。

■より効果が

  大阪には各都道府県が拠点となる事務所を開設している。鳥取県は北区梅田に関西本部があり、市場開拓や情報発信に努める。

 一方、鳥取県の日本海新聞の姉妹紙、週刊大阪日日新聞は毎号、特集面で同県の話題を読者に届けている。よって、今回イベントを実施する鶴見区は鳥取県に対する“素地”がある。これを生かせば、PRや集客でより効果があるイベントが可能で、鳥取県しかできないことでもある。

 実際、昨年都島区で行ったカニのイベントも事前に浸透し、当日はかに汁などに行列が。参加した水産関係者からは「こういったイベントが欲しかった」との声が上がった。

 逆に言えば、県の産業界は“市場としての関西”を見ているが、打って出ようにも、取っ掛かりとなる場が少ない、ということでもある。

 そこで平井知事に提案がある。大阪に「鳥取県アンテナショップ」をつくったらどうか。

 鳥取県は隣接する岡山県と共同で東京・新橋にアンテナショップを開設している。ただ、東京以上に、大阪は鳥取になじみがある。県出身者も多く、仕事上の取引も多い。何より、この大都市は「鳥取から近い」。

 関西はいま、訪日外国人旅行客(インバウンド)でにぎわっており、知事が言うよう「集客の起点は関西」だ。関西への取り組み強化は、鳥取県のこれからにつながっていく。 

■他との違い

 開設するとなると、場所が大事だ。大阪・中之島に先にアンテナショップを開設している鳥取市は狭さもあってビル内の別の場所に移る予定で、議会提案している。賢明な判断だろう。

 県のアンテナショップは県全体を対象に機能を充実させる。消費者が集まりやすい場所に、多少賃料がかかっても一定の面積を確保する。鳥取↓大阪は2時間半、「朝どれ野菜」を運んでもよい。週末には移住定住などのイベントを開いていく。

 それを同新聞が告知したり報道し、相乗効果を高めていく。他県にはない、アンテナショップの形ができよう。

 平井知事は就任後、情報発信に力を入れてきた。日本一小さな県をいかに売り込むか。時に駄じゃれを言い、東京や大阪でトップセールスをしてきた。それは成果となって現れている。

 アンテナショップもつくっただけでは、税金の無駄遣いだろう。「関西と結び付いた鳥取県」を示し、県民にプラスになってこそ開設の意味がある。

 「鳥取県のアンテナショップは何か違う、行けば楽しい」−。大阪の消費者の声も聞きながら、準備を始めてはどうか。