大阪発 羅針盤

 地域の取り組みや課題、人々の動きや思いを通して大阪の明日、日本の未来を展望します。

スポーツ振興に期待感

2016年10月13日

底辺拡大図る競技団体 ビジネス界、商機拡大模索

バスケットボール元日本代表から技術を学ぶ女子中学生=10日、大阪市浪速区
関西ワールドマスターズゲームズのポスターを掲示した関西広域連合の議会常任委員会=8日、大阪市北区

 体育の日の10日、大阪市内でバスケットボールの元日本代表女子選手を講師に迎えた中学生対象の教室が開かれた。今夏のリオデジャネイロ五輪で20年ぶりに8強入りした日本の快進撃は記憶に新しく、競技団体は底辺の拡大に余念がない。2020年の東京五輪・パラリンピックを前にしたスポーツ振興への期待感は、競技の世界だけでなく、商機の拡大を見込むビジネス界にも高まっている。

■鉄は熱いうちに

 「私たちも最初は普通の中学生だった。可能性はゼロではない」。1996年アトランタ五輪で日本代表の主将だった一乗アキさんは、大阪市浪速区の日本橋中学校を会場にした教室でこう話した。参加した市内の女子中学生87人の目線に合わせて指導。「この子たちはリオ五輪の映像を見ている。イメージしやすいと思う」と期待した。

 「リオ五輪で日本選手は大きな身体の相手の脇を抜けていった。運動量では負けていなかった」。バスケットボール女子日本リーグ事業企画・プロデューサーの五十嵐幸之輔さんは、リオ五輪後に開いた福井、岡山両市の教室参加者の反応も含めて「『もっともっと』と前へ来る感じだ」と手応えを得、次世代の強化を念頭に「鉄は熱いうちに鍛えよだ」と続けた。

■のびしろ

 東京五輪の時機を逸しない動きは、大阪商工会議所が今月17日にグランフロント大阪(大阪市北区)で開くスポーツビジネス振興シンポジウムの申し込み状況でも顕著だ。応募数は定員400人に対してすでに約450人に上っているという。

 医療や製薬のライフサイエンス、モノのインターネット(IoT)の分野で産学連携、企業間連携を促進する大商にとって、スポーツを核にした産業振興は新たなテーマであり、シンポジウム当日は2012年ロンドン五輪の日本テニスチームドクターを務めた中田研・大阪大大学院教授らを講師に迎える。企業の相次ぐ申し込みについて、大商の担当者は「スポーツビジネスのびしろに対する期待感がある」と話す。

 大阪・関西圏では21年に生涯スポーツ国際大会の関西ワールドマスターズゲームズ(WMG)も控え、関西広域連合は訪日観光客などへのスポーツツーリズムのプログラムを含むスポーツ振興ビジョンをまとめたばかり。アジア初のWMGに向けてビジョンは「具体的に動きだす」(中塚則男事務局長)段取りにあり、次期広域計画の一つとして8日の議会常任委員会でも説明した。

 19年のラグビーW杯を含む3大スポーツイベントの波及効果を狙う試みは多方面で活発化しそうだ。