にちにち動物百科

 動物園はワンダーランド。ライオン、キリン、チンパンジー…。大阪市天王寺区にある天王寺動物園は、都会の真ん中でありながら、非日常の世界が広がります。のんびりさんだったり、怒りんぼうだったり。私たちがそうであるように、動物たちも見ているだけでは分からない愛くるしい一面があります。飼育員だから知っている動物たちの性格や食事、クスリと笑えるエピソードも交えて紹介します。

☆3 爬虫類生態館「アイファー」

2018年6月14日
(1)水面からじーっと人間を観察するミシシッピーワニ
(2)のしのし歩くホウシャガメ。同館にいるホウシャガメは全て違法に国内に持込まれた保護個体だ
(3)昨年10月に動物園で生まれたチュウゴクワニトカゲの子ども。手のひらサイズでかわいらしい

 しとしと、じめじめ、むしむし…。梅雨になりました。スッキリしない天気に、なんだか心までどんよりしていませんか? こんな日は、雨も風も暑ささえも関係なしの、あの施設に行きましょう。爬虫類(はちゅうるい)生態館「アイファー」の仲間たちを紹介します。

■摘発され…

 まず、出迎えてくれるのが大迫力の(1)ミシシッピーワニです。2頭とも体長は3〜4メートルほど。水面からのぞく大きな目に思わず足がすくみます。

 続いては(2)ホウシャガメとインドホシカメ。実は、どちらもワシントン条約違反の保護個体です。販売目的で国内に持ち込まれたものの税関で摘発され、動物園が引き取ることになったのです。

 特にホウシャガメの中には、コブがいびつに大きい個体が目立ちますが、これは子どもの頃に生育環境が悪かったことが原因だといいます。背景を知ると、人間の身勝手さに心が痛みます。

 同館には、条約違反で摘発された個体が13種40点保護されていますが、近年増えているのが(3)チュウゴクワニトカゲ。ワニのような尻尾を持ち、赤や黄色の色彩豊かな体色のトカゲです。中国ではパンダと同じく国家一級重点保護野生動物に指定されています。1度に4〜6匹子どもを産むので、同館はちょっとしたベビーラッシュだとか。

■存在感にぞくり

 地階で存在感を放つのが、(4)ニシキヘビ。雄と雌の2匹が生活しています。とぐろを巻いていることが多いですが、現在の体長は2メートルほどだそうです。隣のボアコンストリクターも迫力があります。

 爬虫類では、(5)ナイルオオトカゲも見どころです。なぜなら、本来は砂漠に生息し、警戒心がとても強いため、昼間のほとんどを砂の中で過ごすから。夕方頃になると、ひょっこり外に出て太陽代わりのライトの下で“日光浴”します。

 そして、実はワニより暴れん坊とも言われるのが、(6)ワニガメです。飼育員さんによると、来園した当初は、ワニに噛(か)みついたこともあるとか。今は単体での展示になっています。確かに顔つきからして、ただのカメではありません。

 締めくくりは「日本の自然」。イワナやオオサンショウウオ、ヒキガエルなどが展示されています。館内もぐっと涼やかな。なんだかほっとしてしまいました。

 【アイファー(IFAR)】
 無脊椎動物「Invertebrates」、魚類の「Fish」、両生類の「Amphibians」、ハ虫類の「Reptiles」を進化順に並べ、頭文字を合わせた造語。同館は、新世界ゲートから入って左手にあり、30種ほどを常時展示している。