にちにち動物百科

 動物園はワンダーランド。ライオン、キリン、チンパンジー…。大阪市天王寺区にある天王寺動物園は、都会の真ん中でありながら、非日常の世界が広がります。のんびりさんだったり、怒りんぼうだったり。私たちがそうであるように、動物たちも見ているだけでは分からない愛くるしい一面があります。飼育員だから知っている動物たちの性格や食事、クスリと笑えるエピソードも交えて紹介します。

☆8 ウォンバット

2018年11月8日
国内最高齢29歳のワイン。風格たっぷり、今も“モテモテ”です
ワンダー(2017年11月25日死亡)
フク

 ウォンバットはオーストラリアに生息する草食動物。平らな鼻と離れた小さな目、ずんぐりした体を揺らしながら歩く姿は、「ぶさかわ(不細工なのにかわいい!)」「脱力系」とも表現されます。日本にいる7頭のうち5頭が暮らす“ウォンバットの聖地”を訪ねました。

■国内最高齢

 阪急「池田」駅から徒歩15分。池田市の五月山動物園が、その“聖地”です。

 開園は1957年。ウォンバットは、90年にオーストラリア・ローンセストン市姉妹都市提携25周年を記念して、3頭が贈られたのが始まりです。

 その時の1頭が、今も暮らすワイン(雄)。89年生まれの29歳、国内最高齢です。ウォンバットの寿命は野生で5〜10年、飼育下では20年ほどとされています。人間で言うと「100歳は超えている」と瀬島幸三園長(45)。世界最高齢は32歳ですが、現在も食欲があって元気そのもの。記録更新に期待がかかります。

 そのほか、園にはフク(雄、14歳)と、昨年来園したマル(雌、3歳)、コウ(雄、2歳)とユキ(雌、2歳)が暮らしています。

■伝説の夫婦

 ワインは、一緒に来園したワンダー(雌、 )の間に92年にサツキ、93年にサクラの2頭を授かっています。ウォンバットの繁殖は謎が多く、世界で2例目の快挙でした。

 「繁殖は自然まかせ。餌を含めてストレスフリーの飼育環境がよかったのか」と瀬島園長。とは言え、やっぱり肝心は相性の良さ。2頭は、ウォンバット界でも屈指の“美男美女”と評判でした。

 なんでも、フクのお嫁さん候補のマルが、最初に興味を示したのがワイン。ワインもまんざらでもなく、それを見たワンダーがヤキモチをやいていたとか。相手を引き寄せる力に年齢の壁はないようです。うらやましい。

 残念ながらサクラは05年、サツキは11年に亡くなりましたが、ワインとワンダーはともに長寿。“伝説の夫婦”として語り継がれることでしょう。

ウォンバットフェスタ 10日、五月山体育館

 マル、ユキ、コウの3頭がオーストラリアから来園して1年が経過したことを記念し、10日に池田市立五月山体育館で「ウォンバットフェスタ」を開催する。

 豪華景品が当たるスタンプラリーやクイズ、ビンゴ大会のほか、ウォンバット新キャラクターの名前がお披露目される。

 また、子ども向け遊具やカップラーメンの早積みコンテスト、「池チキコロコロ」「池チキ」といったチキンラーメンを使ったアイディア商品をはじめとして、フードコーナーも充実。午前10時〜午後5時。入場無料。

 【ウォンバット】双前歯目ウォンバット科。オーストラリアの低木林や草原に分布する有袋類。かつては害獣として駆除の対象だったが、保護動物に指定されている。


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