にちにち動物百科

 動物園はワンダーランド。ライオン、キリン、チンパンジー…。大阪市天王寺区にある天王寺動物園は、都会の真ん中でありながら、非日常の世界が広がります。のんびりさんだったり、怒りんぼうだったり。私たちがそうであるように、動物たちも見ているだけでは分からない愛くるしい一面があります。飼育員だから知っている動物たちの性格や食事、クスリと笑えるエピソードも交えて紹介します。

☆9 ジンベイザメ

2018年12月13日
巨大な水槽の中を悠々と泳ぐジンベエザメ
他の魚と一緒に来館者の目の前を泳ぐ
大量の水と一緒に餌を吸い込む

 世界最大の魚類ジンベエザメが大阪市港区の海遊館で暮らしています。サメというと「人食いザメ」や「凶暴な魚」というイメージを持つ人もいますが、ジンベエザメは小型のプランクトンを食べ、人を襲うことはないおとなしい魚です。

 世界中の温帯から熱帯の沿岸や外洋に生息しています。日本近海には、初夏から秋にかけて回遊します。灰色の背面に白色の斑点があり、その模様が昔の下級武士や町民が着ていた「陣兵衛羽織(じんべえばおり)」の模様に似ていることから、名付けられたといわれています。

■仲良し

 海遊館には、雄の海(かい)(推定7〜8歳)と、雌の遊(ゆう)(同10〜11歳)がいます。深さ9メートル、最大幅34メートルの「太平洋水槽」の中を、大型のサメやエイ、アジなどの回遊魚と一緒にゆったり泳ぎます。

 のんびりマイペースで、水槽の上層を泳ぐのが好きな遊と、遊が上を泳いでいる時は下を泳ぐ“気遣い”の海は、担当する飼育係によると関係良好だということです。

■体内時計

 餌の時間は午前10時半と午後3時の1日2回。飼育係が水面をひしゃくでたたいて呼びますが、餌の時間が近づくと2匹は水面近くを泳ぎます。「体内時計」の正確さに飼育係は驚いています。

 オキアミとイサザアミ、ビタミン剤を混ぜた餌を1日に約7キロずつ食べます。

 餌は水上からひしゃくであげるのと、ダイバーが一緒に泳いで、直接口に餌を入れる方法で食べさせます。直接食べさせるのは、健康状態をチェックするためだそうです。

 ジンベエザメは海遊館オープン以来のマスコットのような存在です。写真や映像で見たことがある人がいると思いますが、目の前を泳ぐ2匹に会いに行ってください。

 【ジンベエザメ】テンジクザメ目ジンベエザメ科に属する唯一のサメ。動きはゆっくりで人には危険性が低い。最大で全長20メートルほどになるとされる。