英語に親しむ

第2部「培う」(中) 特色打ち出す小学校

2015年11月3日
担任が見せるカードの英語を発音する児童ら=大阪市天王寺区の味原小学校

■フォニックス指導

 「G、グ、グ、goat(ヤギ)…」。大阪市天王寺区の市立味原小学校の5年生の英語の学習で、児童たちが大きな声で発音を繰り返す。読む力を身に付ける「フォニックス」と呼ばれる音声指導の一場面だ。担任が文字と動物などの絵が描かれたカードを見せ、児童が声に出す。

 同校は大阪市が推進する「英語イノベーション事業」の重点校の一つ。小学校では国の方針で5、6年生で英語が必修化されているのに対し、重点校では1年生から指導を受けることができる。「英語を使いたいという気持ちが生まれ、自信につながる」と効果を語るのは教諭の竹原あゆみさん(27)。週3日、1回15分の学習を実施している。

■長文読解の力

 今年で3年目のこの取り組みは、市内19小学校、8中学校で展開。中学校区単位で実施され、同校は高津中学校、真田山小学校と協力して取り組みを進めている。市教委学力向上・英語教育グループは「小1から英語に触れることで中学で長い英文の読解力が付き、テストの結果につながることも期待できる」と話す。

■自然な発音を

 私立小学校でも英語の指導に熱が入っている。中央区の追手門学院小学校は、外国人4人と日本人の英語担当講師3人の体制で1年生から英語に触れる機会を積極的に設けている。

 「what is it?」「It is a black cat」

 ネコの絵を見て、1年生の児童が質問に答える。この日はハロウィーンにちなんだ特別授業で、講師ら3人が魔女などに仮装して登場。楽しい雰囲気の中、40分の授業が展開された。「もっとしゃべれるようになりたい」と男児は話す。

 興味を引き出し、ネーティブの発音に触れる。「低学年はLとRの違いなど特別な音に慣れることができる。自然な発音もできるようになる」と英語科主任教諭のモリッチ・ノエルさん(37)。

 英語の授業は週1日。全学年で筆記テストと英会話テストも実施し、金曜日は登校時のあいさつは英語で行う。「恥ずかしがっていた子もいたが、意識は大分変った。子どもたちは英語を楽しんでいる」と教頭の杉田圭一さんは変化を口にする。中学での英語にも円滑に対応できると杉田さんはみる。

 英語教育の早期化が進む中、各小学校は児童の英語力を伸ばそうと特色を打ち出している。児童を取り巻く学習環境はさらに進化を続けそうだ。

 「英語イノベーション事業」 小学校重点校は「フォニックス」中心の音声指導を行い、中学校重点校は「聞く、話す、読む、書く」の4技能を伸ばす。また全ての市立小学校(5、6年対象)と中学校(全学年)は英語の指導員が教えている。15年度は予算約6億2500万円を計上。