英語に親しむ

第2部「培う」(下) 高まる留学志向

2015年11月4日

自律が成否の鍵

留学説明会で海外の大学スタッフから現地事情を聞く参加者=大阪市北区のハービスOSAKA

 海外5カ国56大学・大学院のスタッフが一堂に会した10月27日の留学説明会。大阪市北区のハービスOSAKAホールに並んだ各校のブースを回る大学生や社会人に交じり、制服を着た高校生の姿もあった。

 茨木市の関西大倉高2年、実熊真吾君は「将来はユネスコ(国連教育科学文化機関)で働きたい。語学習得だけでなく英語で他のことも学びたい」と進路のイメージを抱き、国内の大学進学後に行きたい留学先を早々に下調べしていた。

■定員オーバー

 「英語にどの家庭、学校も力を入れている。留学ニーズは高まっている」と話すのは大阪府国際化戦略実行委員会の池田周さんだ。

 府が2010年度に策定した「大阪の国際化戦略」に基づいて高校生を対象にした米国、英国への留学プログラム「おおさかグローバル塾」を設け、新たにオーストラリアコースも設定する意向だ。

 これとは別に、同実行委は高校生や大学生向けの留学奨学金制度も運用し、14年度に初めて募集定員(100人)を上回る123人の申し込みがあった。

■骨太な英語力

 大阪の国際化戦略をめぐって、府教育委員会も今春、府立高10校で、「読む」「聞く」「話す」「書く」の英語の4技能を総合測定する「TOEFLiBT」テストを扱う授業を始めた。「Super English Teacher(SET)」を配置した“骨太”の英語力養成を掲げ、16年度は対象校を17校に拡大する。

 国際化に注力する傾向は私立高も同じだ。和歌を必修科目にする明浄学院高(大阪市阿倍野区)は05年度にオーストラリアのマリスト女子校と姉妹校協定を結び、相互の短期留学を続けている。

 “和洋折衷”の教育スタイルについて、外国語教諭の竹村紗季さんは「日本のことを知らなければ世界で活躍できる女性になれない」と話す。つまり日本文化を知らずして真の国際化と言えないわけだ。

■留学の心得

 高校生の姿が目立った27日の留学説明会。主催した留学支援会社「beo(ビーイーオー)」の安達雅子さんは、若年層の留学志向について「日本で自律した生活を送ることが大切。自分で朝起きたり、家の手伝いができなければ現地(ホームステイ先)でできない」と注意点を挙げた。

 グローバル社会に目を向けた進路を切り開く留学の鍵は、まず自国を知り、自分を律することにある。

 大阪の国際化戦略 2010年に策定された大阪府と大阪市の行政計画。世界・アジアから多くの人・モノ・資金を呼び込むほか、人材・技術の国際競争力を高めることを明記。人材育成の行動計画として、海外への留学生・研修生を15〜17年度の3年間で1千人送り出すとしている。


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