英語に親しむ

第3部「創る」(上) 日本初大規模体験型施設

2016年1月1日

大阪で「米国」触れる

生きた英語に触れる環境が整う大規模体験型英語教育施設。インストラクターはすべて英語ネーティブだ(コラージュ)

 自宅から電車に乗って「アメリカ」に来た子どもたち。ニューヨークのタイムズスクエアに降り立ち、観光バスに乗ったり、ポストオフィスで手紙を出したり、ブロードウェーでミュージカルの舞台に立ったり…。4時間で盛りだくさんの“アメリカ留学”を満喫した。

■パスポート不要

 大阪に「アメリカ」を創出するのは、大阪市吹田市のエキスポシティに誕生した日本初の大規模体験型英語教育施設「OSAKA ENGLISH VILLAGE」(OEV)。2階建ての広々とした館内に、アメリカの日常や歴史、文化などをテーマにした23種の「シチュエーションルーム」を設置する。約50人のアメリカ人またはカナダ人の英語ネーティブのインストラクターがおり、“アメリカ旅行”や“留学”に来た人たちを笑顔で迎えてくれる。

■生きた英語

 まずは“飛行機”に乗り込み、「What would you like?(何を食べたいですか)」「I would like beef(お肉をお願い)」といった会話をロールプレイングで楽しみ、ニューヨーク・タイムズスクエアへ。

 郵便局や警察署、銀行などが並び、各ルームに初級、中級、上級の三つのレベルで設定された30〜40分のプログラムが用意されている。来館者は好きなルームに入ってインストラクターと英語で各シチュエーションに不可欠なセンテンスを学んでいく。

 留学したら経験するチャンスが多い、ホームパーティーを設定した部屋まである。カラフルに装飾された部屋に入った塩山直太朗君=吹田市=、角田ののかちゃん=同=はインストラクターから「Can you say?(言える)」と促されながら「Birthday(誕生日)」などの単語を発音。緊張した様子だったが次第に声も出始めた。

■アウトプットの場

 ニュースルームでは小学2年の団体が天気用語を学び、「How is the weather?(天候は)」と問うアナウンサーや「It is sunny(晴れ)」などと答えるリポーターになってテレビ番組の収録を体験。積極的に参加していた志村聡介君(8)=大阪市阿倍野区=は週1回2時間、イギリス人の家庭教師に英語を学んでいるという。「引っ込み思案な方だけど、自信を持たせてくれる先生のおかげでひるむことがない」と母親の陽江さん(33)。

 「ここでは日常の英語の勉強の場とは違う環境でアウトプットができ、伝わる喜びから新たな意欲も出てくる。『英語は勉強ではなく、コミュニケーションをとるためのものだと分かった』という声をたくさん聞く」という運営会社「YBM JAPAN」営業部の後藤典子さん(53)。

 エンターテインメント施設で遊びながら自然と習得していくという新しい形の英語学習に注目が集まる。

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 「英語に親しむ」第3部は「創る」をテーマに大阪府内で進む英語の学び場創出の動きを追う。

 シチュエーションルーム アメリカ留学や旅行の際に経験する“状況”を創り出し、よく使われる英単語や英語表現を学び実際に使っていく。ネーティブアメリカンの文化や生活、1800年代のアメリカ西部ゴールドラッシュ、恐竜の化石発掘など、特殊な体験ルームもある。