英語に親しむ

第3部「創る」(中) 大学生、自ら学ぶ

2016年1月3日
少年法について英語で意見を交わす(右から)阿部さん、上田さん、和田大輝部長=大阪府立大

 「Children are the person who commit a crime and…(少年は罪を犯していて…)」

 大阪府立大の中百舌鳥キャンパス(堺市中区)。学生らが真剣な表情で意見を交換する。英語力の向上に取り組む学内のクラブ「ESS」の活動の様子だ。テーマは、20歳未満を保護対象とする少年法の是非について。日本語を一切使わず、英語だけで約2時間の議論を展開する。

■伝える力伸びた

 「もともとは英語が苦手で、入部当初は英語の自己紹介もうまくできなかった。議論を繰り返したことで、今は英語で伝える力が伸びたと思います」。2年生の上田祐樹さん(19)は笑顔でそう話す。

 部員13人ほどが週3回、それぞれが専門とするスピーチやディベート(討論)の練習に取り組む。「もっと話せるようになりたい」という学生たちの要望の受け皿になっているのがESSだ。

 大学にも英語の授業はあるが、部員たちには「英語で自分の考えを発表できる時間が少ない」「英語の苦手な学生に配慮して、ネーティブの先生が日本語で指導する場面がある」といった“物足りなさ”があるようだ。

 英国への留学の一助にと入部した阿部駿人さん(20)は、おととし、留学を果たし、「ESSのお陰で積極的にコミュニケーションができた」と振り返る。海外でのエンジニア勤務を進路の一つに挙げ、「どこの会社に入っても英語は使うと思う」と語り、語学力をさらに磨くつもりだという。

■外国人客を案内

 「1年間、活動すればネーティブと日常会話ができるようになります」。関西外国語大(枚方市)の「通訳ガイドクラブ(I.G.C.)の平本隼也部長(20)はそう語る。

 同クラブは毎月1、2回、京都市の観光名所の清水寺で、外国人観光客に声を掛け、無料のガイドを買って出ている。1〜2時間かけて、境内の仁王門など20カ所近くを英語で説明。平本さんも昨年12月下旬に、イタリアとフランスの女性二人組を案内したばかりだ。

■受け身から脱却

 部員は26人。ガイドの活動だけでなく、ディベートやディスカッション(議論)なども実施。部員たちは、休まずに参加することが求められるという。

 リーダーチーフの森香沙音さん(19)は「クラブは大変な分、得るものが大きい。入部前は英語に対して“受け身”でしたが、今は話したいという気持ちをそのまま行動に移せるようになった」。通訳案内士になるという将来の夢も見つかったといい、英語力の向上に一層、力を入れている。

 ESS English Speaking Societyの略。大阪府立大では主に大勢の前で話をするスピーチ、テーマについて話し合うディスカッション、肯定側と否定側に分かれて討論するディベートに取り組んでいる。