英語に親しむ

第3部「創る」(下) 加速する社員教育

2016年1月4日

訪日外国人客に声掛けも

英会話を実践する田淵電機の社員=大阪市淀川区

 「What will you be doing there?(そこで何をしていますか)」「Do you do anything special?(特別なことをしますか)」

 昨年12月25日、JR新大阪駅前のニッセイ新大阪ビル10階にある田淵電機(大阪市淀川区)の談話室で、社員8人がクリスマスの過ごし方を英語で話し合っていた。毎月第1、第4金曜日の夜に開く「イングリッシュカフェ」はお菓子やコーヒーをテーブルに並べた和やかなムードの中で英会話を続けている。

■ダービー

 欧米やアジア6カ国に拠点を持つ田淵電機は昨年4月、社員の英語教育に乗り出した。日本市場が縮小し、海外展開が不可欠な時代。「英語は必須になっている」と痛感する総務人事部の岡村妙子さんは、社員の英語力アップに余念がない。

 「イングリッシュカフェ」に加えて取り組む活動が、訪日外国人旅行者に話し掛ける回数を競う「英語ダービー」だ。ラジオ体操に参加しただけはんこの数が増える「ラジオ体操カード」に着目した上司の提案を受け、社員の参加回数を記録し、数の多い社員にプレゼントを贈ることにした。

■過去最多

 入社1年目の新島弘士さんも英語ダービーに積極的な一人。新大阪駅構内のたこ焼き店で戸惑う外国人に「Can I help you?(どうしましたか)」と声を掛けたところ、たこ焼きの中身を知りたい様子だったため「Octopus!(タコ)」と伝えた。その体験談は社内の語り草だ。新島さんは「英語の文法をひたすら覚えるよりも外国人と対面し英会話することが大事」と実感した。

 国際ビジネスコミュニケーション協会によると、TOEICテスト団体特別受験制度を実施する企業の新入社員受験者数は2015年度に前年度比3873人増の3万4085人に上り、2年連続で過去最多を記録した。「急速に高まるビジネスのグローバル化に伴い、社員の英語力を重視する企業が増えている」と分析している。

■世界を友達に

 田淵電機も会社負担でTOEICの受験を推進し、一定基準をクリアすれば年間6万円以内の英語教材費などを補助する制度をスタートした。採用内定者向けに英語テキストも配布し「グローバル化」の意識向上を求めている。

 「グローバル化の時代にいろいろなことをするとき、世界を友達にすることが必要だ」。田淵電機のイングリッシュカフェに参加したエンジニアの一人はそう語った。