英語に親しむ

第4部「始まる」(下) 指導法を学ぶ教師たち

2016年3月9日
新東三国小の英語指導(上)を見学する他校の教師たち(下)=コラージュ

 「Oh good!」「Good job!」

 大阪市淀川区の新東三国小学校が公開した英語指導で、1年の担任教師は、スクリーンに映した動物のイラストの名前を英語で答えた児童を絶賛。他の学年の担任教師たちも英語による褒め言葉を絶やさなかった。

■指導に不安

 新東三国小が大阪市の英語教育重点校として指定を受けたのは2013年9月。同年3月改訂の大阪市教育振興基本計画で大阪独自の英語教育に取り組むことが明記され、新東三国小を含む市内19の重点校で毎週3回(各回15分間)の英語指導が始まった。

 市は英語指導を16年度は188校に広げ、17年度に全校で実施する計画を立てている。新東三国小による2月23日の公開は未実施校の教師を対象にしたものだ。

 見学に訪れた教師は約50人。「先生は全ての発音を英語で言わないといけないとすると、すごく大変でしんどそう」「音声指導は大切な活動であり、なおかつ指導が難しいと思う」。見学後の共通した感想が未経験の指導に対する「不安」だった。

■ジェスチャー付き

 「抵抗感や不安はあると思う。私たちもそうだった」と新東三国小の浜田良一教頭。吉田恵美子校長は「積み重ねによって少しずつ自信を持てるようになった」と振り返る。その積み重ねに際して指針としたのがアドバイザー役の田縁真弓京都教育大講師の助言だ。

 田縁さんは、指導のポイントとして児童の発言や行動を褒め上げるほか、言語外情報のジェスチャーを交えることも提唱。「英語を体に染み込ませる」指導を求めている。

 実際、新東三国小の教師は公開の場で英語の歌詞をジェスチャー付きで歌ったり、英語の意味を動作で表現した。その姿につられるように体と口を動かす児童の姿を目の当たりにした見学者の一人は「楽しそうに英語を学んでいるのが印象的」と感想を語った。

■褒める時間

 重点校の19校が英語指導に取り組んで2年半。大阪市教育委員会の禰宜田陽子さんは、新東三国小を見学した教師にこう伝えた。

 「重点校の先生は一日のうちで児童を褒める時間ができたと言ってる。それによって浮かばれる児童もいる。担任が笑顔なら児童は引き付けられる」

 小学校の教師にとって新たな取り組みになる英語指導は、児童の学習意欲を高めるとともに、教師自身の懐が深くなるきっかけにもなる。

 大阪市教育振興基本計画 基本目標は、子どもが心豊かに力強く生き抜き未来を切り開く力を備える。その施策の一つとしてグローバル人材としての基礎を育てるとしている。